「論理エンジン」が学力を劇的に伸ばす の商品レビュー

出口汪(著者)

2012/02/26

筆者は学力を伸ばすには論理エンジンが大切であると述べている。しかし、具体的に論理エンジンがいかなるものなのかはあまり詳しく触れていない。小さい頃から段階を追って論理的思考力を身につけていくことが大切であると思った。

2011/05/23

国語力はセンスや感性の力ではなく、論理的に物事を考えることができるかという力。
論理で考えられるということは「他者」を意識できるということ。
「他者」を意識するから、論理で相手にわかるような説明が必要になる。

「論理＝冷たい」というイメージだったので、考え方が変わりました◎

2011/01/20

全部で231頁ある中で、「論理エンジン」が実際に何なのか語っているのはP.128からP.200まで、計73頁に過ぎない。

後はアマゾンのレビューに「映画の予告編」が続くようなもの、との記述があったが、的を射ている。

200頁前後の本の中で、P.100を過ぎても本題に入らないのは、いささかやり過ぎではないだろうか、出口先生。

では、その論理エンジンとは何なのか、というと本のカバーそでに
1, 一文の要点「主語～述語」をつかまえる
2, 言葉のつながりを意識する
3, 一文の構造をつかまえる
4, スパイラル方式とクイズ方式を活用する
5, 文と文との論理的関係をつかまえる
6, イコールの関係をつかまえる
7, 対立関係をつかまえる
8, 因果関係をつかまえる
9, 意味段落から文章全体の論理構造へ
10, 心情を把握する
とあり、この10の視点をもとに、実際に教育機関などで運用されるときには
100段階のレベルで構成されるという。

本書にその100段階の全貌が示されているわけではないが、書かれているメソッドから判断するに、中学受験のテキストに書かれている内容に似ている、という印象を持った。

これは何も「論理エンジン」なるものの実態が、「期待に反してレベルが低い」というようなことを言いたいのでなく、逆に「論理エンジン」という、何か飛び道具のような印象を与えることから、キワモノ的なイメージでいたが、その実、正統派の方法だった、ということを言いたいのである。

要点をまとめる、というような問題に、尻込みするような高校生は、ややもすると一文の中での「主語～述語」の関係を理解できていない。
そこで彼らに「論理エンジン」を提示することは有効だと思われる。

言い換えれば、中学受験の国語のテキストを高校生用にアレンジできれば、論理エンジンのエッセンスは掴めると思うし、その位の工夫はすべての教員が本来やらなければいけないはずだが、実際問題として、高校生に対する教育の現場でさえも、基本的なことがなおざりにされていた、ということを明らかにしただけでも本書は価値があると言えよう。

評価自体は、先述した、前置きが冗長であるのと、P.117「国語も英語も自然言語を中心とした教科であり、しかも論理を要求されるだけに、かえって古文以上に共通点があるのではないだろうか。」
と「現代文」と書くべきところを「国語」と書くなど、基本的なミスがあるので、星3つ。