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妖界ナビ・ルナ(9) の商品レビュー

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2010/01/23

「スネリ! そこにいるのか。おいらの声がきこえるか!」  もっけが窓の外から声をかけると、桜の木のかげから、人間すがたのスネリがうつむきながらでてきました。顔をあげたスネリを見て、ルナはおどろきました。スネリの目は赤く、いままでずっと泣いていたことがわかりました。 「もっけ。キン...

「スネリ! そこにいるのか。おいらの声がきこえるか!」  もっけが窓の外から声をかけると、桜の木のかげから、人間すがたのスネリがうつむきながらでてきました。顔をあげたスネリを見て、ルナはおどろきました。スネリの目は赤く、いままでずっと泣いていたことがわかりました。 「もっけ。キンカが……」 「スネリ。ちがうんだ。あれはキンカじゃねえよ。幻だ。考えても見ろよ、ここにキンカがいるはずねえだろう」  もっけの声はやさしく、かなしいものでした。 「スネリ、目をさませ。ここにはルナがいるんだぜ」  スネリは、ルナを見ました。うるんでいた目をしばたたかせると、ぐっとくちびるをかんで、両ほおを自らの手でたたきました。 「ごめん。どうかしてた」

Posted byブクログ