百年の亡国 の商品レビュー

海道龍一朗【著】

2009/10/04

2007/3/19　敗戦直後における憲法改正にまつわる事実を元にした小説。ほぼ事実に基づいて小説化した内容と思われ、憲法改正に関わる事実が網羅的に収められ非常に分かりやすくて読みやすい。特に議員の3分の2の賛成が無いと改正できないという点については、確かに多数決を是とする民主主義の根本に関わる問題であると指摘は最もなところである。昔、憲法を習った時には、わざと厳しくして憲法を変えさせないようにしているのかなぁくらいにしか考えて無かったのだが、憲法も法律である以上、改正もありえるとう法律上の考え方からすると、確かにこの憲法は改正しにくくなっているとは思う。他にも、終戦当時の状況などが小ネタでそこかしこに出てきて、その部分も非常に面白かった。海道龍一郎が時代小説以外でも読ませる文章を書くことが分かったのも収穫である。