不確実性のマネジメント の商品レビュー
10000万分の1しか製品にならないと言われる製薬。 一方で一発あたれば、他の業界とは比べ物にならない程の利益をもたらす薬。 昨今、開発費の増大にもかかわらず、新薬の承認数は減少している現状で、どのように組織としてマネジメントしていくべきなのかを研究している著者の論文を本...
10000万分の1しか製品にならないと言われる製薬。 一方で一発あたれば、他の業界とは比べ物にならない程の利益をもたらす薬。 昨今、開発費の増大にもかかわらず、新薬の承認数は減少している現状で、どのように組織としてマネジメントしていくべきなのかを研究している著者の論文を本として下ろしたもの。 この一攫千金の業界をマネジメントできるのか? 薬作りは 『高不確実性』『個人ベース』『ゴミ箱モデル的』である探索段階と その探索によってみるかったリード化合物を商品化に向けてブラッシュ アップしていく開発段階がある。 著者はこの後者にマネジメントの可能性がることを見出す。 候補化合物を開発に進めるかどうかの段階 『go or not go』の判断能力 治験の『プロトコルデザイン力』の競争優位性 組織能力の構築プロセス にマネジメントが可能であることを武田薬品を例に分析する。 (phase2まで武田は候補化合物を残し、そこから一気に絞り込むことで治験の費用がかかるphase3でのコストをカットさらに。これ以降での候補化合物のdrop outをなくしている武田の組織能力を評価している。) 薬に限らず、製品開発マネジメントとはどういうものなのか、成功パターンをどのように分析していくべきなのかなどはさすがに論文がベースになっているだけに硬くて読みにくいが、製薬業界分析、マネジメントに興味のある人にはおすすめの一冊であると思います。
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製薬業界はハイリスク・ハイリターンの業界ですが、それをなんとかマネージできないか?という問いに対する解答という意味でタイトルがつけられている。 研究開発の段階は正直マネージメントできないよ、でも臨床開発ならマネージできる。実際優秀な業績を上げている会社とそうでない会社とではここに...
製薬業界はハイリスク・ハイリターンの業界ですが、それをなんとかマネージできないか?という問いに対する解答という意味でタイトルがつけられている。 研究開発の段階は正直マネージメントできないよ、でも臨床開発ならマネージできる。実際優秀な業績を上げている会社とそうでない会社とではここに差があると書いてあります。 自分としては前者の研究開発のマネジメントに関する情報を期待していただけに、残念。ただその解答がないというのは仕方がないとも思えました。 興味ある方、貸します
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