破戒(文庫版) の商品レビュー
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明治期の被差別部落に生まれた男性が主人公。 父親から誰にも正体を明かすなと言い残されて思い悩む。 葛藤が丁寧に描かれていており、現代ではこうした被差別部落のことはわかりにくいので漫画化に意義がある。 Kindle Unlimitedに入っていたので予備知識もなく読んだが、展開がう...
明治期の被差別部落に生まれた男性が主人公。 父親から誰にも正体を明かすなと言い残されて思い悩む。 葛藤が丁寧に描かれていており、現代ではこうした被差別部落のことはわかりにくいので漫画化に意義がある。 Kindle Unlimitedに入っていたので予備知識もなく読んだが、展開がうまく絵も見やすくて引き込まれた。 原作の小説の方もいずれ読みたい。
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図書館に「まんがで読破」シリーズが揃っていることに気づいて、完読してやろうと思い立つ。 破戒ってそんな話だったんだっていうのが率直な感想。よく思い出してみたら文学史の説明でそんな感じのことを聞いた気がするけど、島崎藤村=破戒ってセットの暗記で終わってたな。破壊じゃなくて、破戒って...
図書館に「まんがで読破」シリーズが揃っていることに気づいて、完読してやろうと思い立つ。 破戒ってそんな話だったんだっていうのが率直な感想。よく思い出してみたら文学史の説明でそんな感じのことを聞いた気がするけど、島崎藤村=破戒ってセットの暗記で終わってたな。破壊じゃなくて、破戒っていうタイトルで気づけよってところですね。
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主人公の穢多である事を隠して学校の教師をしているが、最後にはバレて学校から追放される。 未だに封建的身分制度が残る明治時代。身分で人を差別するのは今の日本では考えられないが、少し昔までは残っていたと思うと今の日本が恵まれているとつくづく思う。
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封建的身分差別が残る明治時代。 青年教師・瀬川丑松は父の戒めを守り、素性を隠し暮らしていたが、同じく被差別部落出身の解放運動家・猪子蓮太郎の生き方に感化されてゆく。 ある日、丑松の素性を疑う人物が現れ、生活は一変する…。 「差別」という人間に根ざす社会悪を描き、漱石からも激賞を受けた自然主義文学の傑作を漫画化。
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薄っぺらい漫画仕様ではあるものの、内容はとても濃かったです。ラストでは涙が出ました。 身分など関係なく、意思の強さこそが肝心なのだと思いました。 原作を知らず読みましたが、ぜひ小説の方も読んでみたいと思いました。
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明治末期、日本の自然主義文学の始まり。人間の内面を追求する文学の始まり。そして、私小説の始まり。 100年前から特に時代は進んでないですね。多少豊かになって、他人のこと一々に気にしなくなったぐらい。 貧しくなったらまた差別は戻るんだろうね。
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原作を読んだあとに読むには物足りない。丑松にはもっと、もっと、えぐるような感情があったはずなのに。 マンガで楽しめた方には、ぜひ原作をオススメしたい。これだけで藤村の『破戒』を読んだ気になってしまうのは勿体ないです。
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タイトルは知っていたけれどまだ読んだことがなかったので、まんがで簡単に読破しようと手に取った。重い。テーマが重い。文庫本だったら完読できたかどうかわからない。でも、いつかは原作に向き合って、じっくりいろんなことを考えなくてはならない気がする。
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封建的身分差別が残る明治時代。青年教師・瀬川丑松は父の戒めを守り、素性を隠し暮らしていたが、同じく被差別部落出身の解放運動家・猪子蓮太郎の生き方に感化されてゆく。ある日、丑松の素性を疑う人物が現れ、生活は一変する…。「差別」という人間に根ざす社会悪を描き、漱石からも激賞を受けた自...
封建的身分差別が残る明治時代。青年教師・瀬川丑松は父の戒めを守り、素性を隠し暮らしていたが、同じく被差別部落出身の解放運動家・猪子蓮太郎の生き方に感化されてゆく。ある日、丑松の素性を疑う人物が現れ、生活は一変する…。「差別」という人間に根ざす社会悪を描き、漱石からも激賞を受けた自然主義文学の傑作を漫画化。 (「BOOK」データベースより) 原作は読んだことがない。 まんがでどれだけ原作の雰囲気が伝えられているのかわからないが、「穢多」の苦悩がにじみ出ているような気がした。 生まれ落ちた瞬間から人に差別される運命を背負うというのは、どんなふうなのだろうか。自分が何か悪いことをしたわけでもなく、ただこの世に生をうけただけで、人から石を投げられる運命とは・・・。 私が生まれ、小学生まで暮らしていた大阪では、道徳の時間に「部落問題」についてよく話を聞かされた。つまりは差別に対する考えを小学生の頃から教えこまなければならないほど、深刻な問題だったということだ。大人達の「部落民」に対する差別意識は根強い。だからこそ、幼い頃からそれに対する問題意識を植え付けなければならなかったということだろう。 主人公・丑松の父が我が子に自分の生まれた土地を隠せ、素性を隠せという戒めを与える。父の苦しみもいかばかりだったろう。何故、普通に我が子の旅立ちを心から喜ぶことが許されないのだろうか。自分の息子が立派に教師として働く。それを誰にも話すことができない。ただ遠くから無事を祈ることしかできない。恐らくいつ息子の出生の秘密がばれてしまうかと不安に怯えて暮らしていたのではないか・・・。そのあげくに、自らの葬儀の場にさえ、息子は人目を忍んでやってこなければならないなんて。 「穢多」とは、「穢れ(けがれ)」が「多い」と書く。 そういう仕事を請け負っていた人々の子孫だということだろう。誰かがやらなければならない仕事なのに、その仕事に就く人を差別する。何という矛盾。何という傲慢さ。 何と言うことなく灰谷健次郎氏の「兎の眼」を思い出した。ゴミ焼却場の処理作業員たちも同じように差別を受けるんだ。自分たちはゴミを出さずに生きられないくせに。 人間って、なんなんだろうね。 悲しくなるけれど、情けなくなるけれど、それでも「破戒」の最後に光りは見える。救いは全くないわけではないんだ。差別意識を持っている人間だけじゃない。それに立ち向かおうとする人間も存在する。 今ある数々の差別も、いつかは無くなっていくだろうか・・・。
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