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CARNIVAL の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2019/07/07

エロゲのノベライズ。作者の瀬戸口廉也さんは、一般向けには『唐辺葉介』の名義を使っていますね。 この作者が描く物語は、登場人物が徹底的に打ちのめされるんですが、安易な希望にも絶望にもすがらないところが、本当に潔くて美しいんですよ。大好きです。 本作においては、主人公と、とある人物...

エロゲのノベライズ。作者の瀬戸口廉也さんは、一般向けには『唐辺葉介』の名義を使っていますね。 この作者が描く物語は、登場人物が徹底的に打ちのめされるんですが、安易な希望にも絶望にもすがらないところが、本当に潔くて美しいんですよ。大好きです。 本作においては、主人公と、とある人物との和解のシーンは心が割れるほど震えました。文学史に残る名場面といっても過言ではないと思います。 瀬戸口名義でも唐辺名義でもなぜか絶版が続いているので、復刊か電子化してくださいお願いします!

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2012/05/04

同名のアダルトゲームの七年後を描いた後日譚。落としどころがやるせなく、罪とそれに対する向き合い方、償いということについて考えさせられます。学の「自分が何もしなければ良かった」といった発言と、母に対する愛情が読んでいてとても辛く、学が望んだかたちの幸せは、もう決して手に入らないもの...

同名のアダルトゲームの七年後を描いた後日譚。落としどころがやるせなく、罪とそれに対する向き合い方、償いということについて考えさせられます。学の「自分が何もしなければ良かった」といった発言と、母に対する愛情が読んでいてとても辛く、学が望んだかたちの幸せは、もう決して手に入らないものだという不条理さに、胸が抉られるようでした。そして、一読者の視点として、作中で最も罪深く、償わなければいけないのではないかと思われた理紗の父親が、さして罪悪感を持っていないように見られたことも皮肉だと感じました。また、洋一とサオリの存在も、学と理紗の二人との対比として読むと面白かったです。サオリの純粋さ、可愛さが救いでした。後書きまでが本編です。

Posted byブクログ

2011/08/30

 ある意味で幻の作品? 今アマゾンで検索をすると、一万円を下らない値段で出品されています。驚きです。絶対に手放しません。  内容は、ゲーム版『carnival』のアフターストーリーのようなものだったと記憶しています。そしてやはりというか何というか、必ずしもハッピーエンドとはならな...

 ある意味で幻の作品? 今アマゾンで検索をすると、一万円を下らない値段で出品されています。驚きです。絶対に手放しません。  内容は、ゲーム版『carnival』のアフターストーリーのようなものだったと記憶しています。そしてやはりというか何というか、必ずしもハッピーエンドとはならないところが瀬戸口さんらしくて良いと思いました。厳しさから目を逸らさずに描いていて、自分にとっては好ましい作品となりました。独特の後書きも必見です。  多分流通する絶対数の少なさに、読みたくて仕方がない人が何人もおられるのではないかと思います。いつか再版がかかればよいのですが……というわけで、再版への期待と現時点での入手難易度を考慮してあえて評価は4とさせて下さい。作品自体は、ある意味本編よりも好きでした。  あと、アダルトグッズの名前がどれも秀逸すぎて噴きましたw 婦警w

Posted byブクログ

2009/10/04

なんて面白いんだろう。この人の文章は「CARNIVAL」「SWAN SONG」と二つのゲームで読んできたけど、そのどれもが魅力的でハズレがない。今のところ一番好きな売文家の一人だ。物語を面白くするために必要な、どんな小説にもあるいくつかの起伏が、この小説ではどれも臭くなくていい。...

なんて面白いんだろう。この人の文章は「CARNIVAL」「SWAN SONG」と二つのゲームで読んできたけど、そのどれもが魅力的でハズレがない。今のところ一番好きな売文家の一人だ。物語を面白くするために必要な、どんな小説にもあるいくつかの起伏が、この小説ではどれも臭くなくていい。小説の構成的な意味で「空気が読めている」作家だと思う。俺が昔なるほどと思った、筒井康隆が現代の小説に設定していた基準の一つである「笑い」がちゃんと含まれている。あとがきにも吹いた。890円の価値は十二分にある。久しぶりに至福の読書だった。

Posted byブクログ