CSR経営戦略 の商品レビュー

伊吹英子(著者)

2010/09/28

企業のCSR担当にとって、経営戦略とCSRをどのように組み合わせて、企業価値を最大化するか、といった方法論を説く。

１章では、今なぜCSRなのかと題し、CSRをやらないリスクや「守りのCSR」「攻めのCSR」などについて解説。

今でもCSRと言えば、コンプライアンスや内部統制ぐらいにしか思っていない企業もあるようだが、更に踏み込んで事業を通じた社会革新や慈善的社会貢献活動が重要とのこと。

２章、３章では戦略的CSRの基本概念と実践ステップが、事例などと通じて紹介されている。

４章以降は、
・顧客を通じて競争力を高める
・従業員を通じて競争力を高める
・株主・投資家を通じて競争力を高める
・取引先を通じて競争力を高める
・地域社会を通じて競争力を高める
ということで、

様々なステークホルダーとのかかわりの側面から多数の事例が紹介されている。

ただ、若干定性的な表現も多く、著者の主観に頼った記述も多いように感じられた。データなどが蓄積されてきて、裏づけとなるような定量データがあると、なお説得力があると思う。