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五十一番めのザボン の商品レビュー

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2013/08/26

石井桃子のエッセイ集を読んだ時、子どものころの本棚に「ノンちゃん雲に乗る」と並べておいてあったなと思い出して、読みたくなったのがこの本。 まず日本語の美しさ、特に家族の会話の美しさにうたれる。 終戦直後、みんな貧しく、大人も子どもも辛い体験をくぐりぬけてきているのだが、その中で当...

石井桃子のエッセイ集を読んだ時、子どものころの本棚に「ノンちゃん雲に乗る」と並べておいてあったなと思い出して、読みたくなったのがこの本。 まず日本語の美しさ、特に家族の会話の美しさにうたれる。 終戦直後、みんな貧しく、大人も子どもも辛い体験をくぐりぬけてきているのだが、その中で当り前のように善く生きようとし、自分だけでなく、他の人が幸せになるためにどうすればいいかを考え、自分たちにできることをやってみる。 昭和の美しい物語、と言ってしまえばそれまでだが、時代がどうあれ、それは社会に生きる人間として基本的なことではないか。 たとえ中身はすっかり忘れていても、この本を子ども時代に読んだことが私の人格形成に何かしらの影響は与えているんだろうなと思う。

Posted byブクログ