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小春日和 の商品レビュー

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34件のお客様レビュー

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2015/04/10

解説によると少女小説の系譜、ということらしい。 ただ、類型としてはビルドゥングスロマンの系譜という方がしっくりくる。というかそのつもりで読んだ。 大学生活の始まり、友人との関わり、家族との関わり、社会との距離感、そんなあれやこれやで形成されていく自己、そして成長。 と、こう...

解説によると少女小説の系譜、ということらしい。 ただ、類型としてはビルドゥングスロマンの系譜という方がしっくりくる。というかそのつもりで読んだ。 大学生活の始まり、友人との関わり、家族との関わり、社会との距離感、そんなあれやこれやで形成されていく自己、そして成長。 と、こうキーワードを切り出してくるとまさにビルドゥングスロマン。 さて、この作品においての特徴は、居候先の作家の叔母との会話とその叔母による短編作品が挿話されることであるのですが、まぁそこは置いておいて。 主人公にしろ、友人にしろ、やたらと小説や映画に詳しいというのはビルドゥングスロマンにおける決まり事の一つなのだろうか。 いちいち小説や映画を引き合いに出した会話をしてみたり、行動様式がそれらに引っ張られてみたりと、いちいちしゃれているというか鼻につくというか。別にいらいらするわけではなくてむしろ楽しいんだけどね。 続きはブログに書く。 ---- 【追記】ブログ書いた。 http://22minutes.hatenablog.com/entry/bookreview/150410

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2014/11/17

可愛い桃子と花子、でもやっぱり自分とは違うなあと思った。時代かな。 高等遊民みたいな生活を続けたい。できるときにやっとかないと。彼女たちの将来、読みたいです。

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2014/05/30

あたしは19歳で、目白に住んでる〈作家のおばさん〉ちに〈いそうろう〉してるんだけど、作家ってぐうたらしてるんだよね。大学もあんまり面白くないし、友達は花子だけでいいや。毎日学校にも行かずおばさんの本棚の本を読んだり、寝てばっかりいるわけ。夢の中ではいろいろカツドウテキなんだけど。...

あたしは19歳で、目白に住んでる〈作家のおばさん〉ちに〈いそうろう〉してるんだけど、作家ってぐうたらしてるんだよね。大学もあんまり面白くないし、友達は花子だけでいいや。毎日学校にも行かずおばさんの本棚の本を読んだり、寝てばっかりいるわけ。夢の中ではいろいろカツドウテキなんだけど。目白四部作の3冊目。『タマや』の登場人物が出てくるのが嬉しい。主人公の生活は漱石の『それから』で代助のいう、高等遊民を彷彿とさせる。いきなり挿入されるおばさんの短篇やエッセイはやっぱり金井で、おばさんが金井に思えたり。 金井美恵子の小説はチビチビしか読めないものが多いけど、『タマや』とこの作品はグイグイ読めてしまった。でもなんだか読み終えるのが惜しい気もして、たとえは1000ページくらいあればいいのにとも思うが、1000ページあってもやっぱり一気に読めちゃうんだろうな〜。 「タンテキに言って、気障なジジイ、ということになる。」「あんたって、マグロ娘ね、こう、もう少し活動的になれないもんかねえ、」「周囲には茶バネゴキブリくらいの大きさの子供たちが、キャア、キャア喚きながら群がっている。」

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2013/10/29

「目白4部作」の3作目。これら一連の小説群には、やはり目白というリージョナルなトポスが必要だったのだろう。本編は猫のタマと、夏之、及び紅梅荘などを通して前作との連続性を持っている。物語内の第2の語り手(書き手)である「おばさん」も前作に顔を出していた。また、本編は作者によれば「少...

「目白4部作」の3作目。これら一連の小説群には、やはり目白というリージョナルなトポスが必要だったのだろう。本編は猫のタマと、夏之、及び紅梅荘などを通して前作との連続性を持っている。物語内の第2の語り手(書き手)である「おばさん」も前作に顔を出していた。また、本編は作者によれば「少女小説」ということなのだ。とはいっても、主人公の桃子は小説中で既に19歳から20歳であり、少女というにはいささか薹が立っていたりするのだが、著者にとってそんなことは重々承知の上なのだろう。これまた、小説を読む楽しみに満ちた小説だ。

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2013/05/08

amazon で注文しました。 (2013年5月4日) 届きました。 (2013年5月7日)

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2013/01/25

金井美恵子流の『少女小説』。 少女小説というと『花物語』や『乙女の港』を連想してしまうが、そういった『正統派』では勿論、ない。金井美恵子だしね。 映画ファンの金井美恵子らしい蘊蓄があって、ストーリー以外でも楽しめる。 それにしても、登場人物がやたらと酒を飲んでいる気がするな。

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2012/12/24

面白いのに読みにくいということがあるのだなあ。 薄い本なのですぐ読めるかと思いきや、割と時間がかかった。 だらだら楽しませていただきました。 続編も読みたいし、目白の他のも読みたい!

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2012/11/28

あたしがオリーブ少女だった頃に読んだ本。 再読。 なにこれ。 めっちゃおもろいやん! 当時よりもおもろく感じるのはなぜやろ。。。 桃子にもおばさんにも往来できるからかしらん。

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2012/09/01

主人公桃子の生活はかなりわたしと近いところがあるのだけれど、客観的に見るとやっぱり甘えてるんじゃない、と言いたくなる。 まぁこの作品で重要なのはそこではないのだけど。書き方のメリハリが強い作品で、大きな事件は起こらないけれど読ませる作品でした。 桃子のメンタリティは、女の子ならわ...

主人公桃子の生活はかなりわたしと近いところがあるのだけれど、客観的に見るとやっぱり甘えてるんじゃない、と言いたくなる。 まぁこの作品で重要なのはそこではないのだけど。書き方のメリハリが強い作品で、大きな事件は起こらないけれど読ませる作品でした。 桃子のメンタリティは、女の子ならわかると思う。

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2012/07/24

「快適生活研究」を読んで、さかのぼって登場人物がだぶる作品を読んでいます。 金井さん、外れないですねー! 大学1年の桃子と、友達になった花子、桃子の叔母のちえこ。 3人の女性の出会いと~何気なくリアルな生活。 大学に入学した桃子は、母の妹のちえこの元で暮らすことになります。 ...

「快適生活研究」を読んで、さかのぼって登場人物がだぶる作品を読んでいます。 金井さん、外れないですねー! 大学1年の桃子と、友達になった花子、桃子の叔母のちえこ。 3人の女性の出会いと~何気なくリアルな生活。 大学に入学した桃子は、母の妹のちえこの元で暮らすことになります。 東京の大学に通うのに、女の子を一人暮らしさせるわけにはいかないと、母が決めてしまったのです。 桃子の母のことをコンサバという叔母。 母が保守的なのは事実で、家業の旅館を継いでいる長女だからか。桃子の弟が上京したら、一緒に住んで弟の面倒を見るものと決め込んでいるのだから。 ちえことは気が合う桃子ですが、やはり突然一緒に生活するのには気詰まりな面も出てきて当然でしょう。厄介者なのではないかと距離感を考える桃子。 ちえこは作家で、友達には華やかな生活を想像されて、羨ましがられます。 更年期の上に中高年性ウツ症だからというおばさんは、ほとんどいつもゴロ寝しているのだが。 日常生活の中で唐突に締め切りに苦しむ様子が、傍目にもわかる次期があった後、彼女が書いた作品が載っています。 桃子との生活や最近の経験がどこかしら反映しているのが、また微妙に面白い。 ちえこが自分も若かった頃を振り返ったり。 桃子の両親は離婚していて、父親は東京にいる。 フラワー・アーチストと同居しているということだったが、電話では素人とは思われない声。会ってみたら男性だった… などという世界が変わるような出来事もありつつ。…いや、でも別に世界は変わらない? ちえこは1ヶ月か2ヶ月と言って海外旅行に出かけ、桃子の母は無責任だと怒る。 桃子はすっかりゴロ寝にはまって最初は家に引きこもる。 ちえこは意外にも、誰かと一緒らしい… 心地良い女の子の世界。 作者なりの「少女小説」を書こうとしたものらしく、少女小説の基本を押さえた部分と、わざと外した部分と。 親元を離れて叔母の元へ、って確かにあるパターンですね。 そして、親友が出来て! 中学生の男の子のように見える小柄な花子が、かわいい。 初めてのことにわくわくしたり、スランプのような時期もあり、ちょこっと成長する経験もあり。 おかしな経験を、あれこれ喋りまくる口調でどんどん描かれます。 「快適生活研究」ほど全編爆笑ものではないけれど。 共感と微苦笑と~時には吹き出します。 下宿して、友達とえんえん長話をしていた学生時代を思い出しました。 というか~ゴロ寝しながら読んだので、ちえこと桃子のゴロ寝にすっかりシンクロしておりましたよ。 著者は1947年、高崎生まれ。 67年、「愛の生活」で小説家デビュー。 この作品は88年、単行本化。

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