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60戯画 の商品レビュー

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2012/08/25

本書の副題は 世紀末パリ人物図鑑 フランス文学系の多数の著作のある鹿島茂さんが、パリの古本屋で見つけた本と既に蒐集済の本から、人物戯画を60人分選び出し、人物ごとに鹿島さんの短文を添えてできあがっている楽しい本。 戯画とはカリカチュアのことで、風刺的要素も多分に含みモデルにさ...

本書の副題は 世紀末パリ人物図鑑 フランス文学系の多数の著作のある鹿島茂さんが、パリの古本屋で見つけた本と既に蒐集済の本から、人物戯画を60人分選び出し、人物ごとに鹿島さんの短文を添えてできあがっている楽しい本。 戯画とはカリカチュアのことで、風刺的要素も多分に含みモデルにされる本人にすれば甚だ迷惑な場合もあるでしょうが、読者にとっては思わず笑ってしまう絵も多い。 記念すべき1ページ目最初の登場者は、フランス国内でとても評価の高い作家、ヴィクトル・ユゴー。 次は、モーパッサン、ランボー、ゾラ、サラ・ベルナール。ユイスマンスと続いていき、19世紀のパリの有名人たちが60人ずらりと紹介されている。 19世紀はフランス文学にとって、新聞という媒体が、実に多くの役割を果たした時代だったといえると思う。 以前は政治色の強かった新聞に工夫を凝らし、大衆の心を掴む紙面づくりをはじめる。 小説を新聞に連載するという手法もそのひとつであり、文学とジャーナリズムが呼応しはじめた時代でもある。 美術もポスターやカリカチュアなどの新分野が、印刷技術の向上により普及しだした。イラスト新聞なんていうのも新しいメディアのひとつですよね。 鹿島さんは、フランス文学者で、著作多数、大学教授で19世紀のフランスは一番のご専門でお得意とするところ。 週刊朝日百科 世界の文学に連載されたものを再構成し文庫にまとめたのが本書。文庫なのでパリに旅立つ時があるならポケットにしのばせて、飛行機の中で読んでみるのもいいかもしれません。19世紀の視点でパリを歩くのも楽しそうです。

Posted byブクログ