写本室の迷宮 の商品レビュー
鮎川哲也賞受賞作。端…
鮎川哲也賞受賞作。端正な本格ミステリです。
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鮎川哲也賞受賞というのは読者ホイホイなのだが、何でこれが賞取れたの? という疑問に思う作品もある。 本作がそれでハッキリ言うと地味で、入れ子構造も「今の必要だったか?」と首を捻った。ピンと来なかった。
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入れ子形式の作品。 様々な知識が飛び交い、時代や場所を縦横無尽に行き来する。 壮大なストーリーに途中まで期待でいっぱいだったのだけれど・・・。 ラストのあっけなさには唖然とした。 とても丁寧な箇所と、残念な箇所がひとつの物語の中にある不思議。 消化不良な思いだけが残った。
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本格ミステリ好きにはたまらない要素がてんこ盛りの作品。イギリスの豪邸に訪れる二人の日本人。作中作「イギリス靴の謎」をテーマとした推理合戦。そして,推理合戦の最中に生じる殺人事件。 この作品の主人公は,大学教授にして推理作家の富井教授。富井教授が,チューリッヒの画廊で,著名な日本人画家星野の作品に出会い,画廊の主人から託された手記を読み,その謎に挑むことになる。 富井教授が挑む謎は3つ。作中作であるイギリス靴の謎の真相,そして,画廊の主人から託された手記に書かれた,星野が訪れた館で起こった殺人事件の真相,さらに,その手記に隠されたもう一つの謎である。 手記の中で,星野が訪れた館には,既に星野の名を騙った日本人が存在し,星野が母方の旧姓である「井伊」と名乗っていることが明かされる。 館で起こった殺人事件と,イギリス靴の謎が交錯を始め,イギリス靴の謎が,ロンドンで実際に起こった事件をテーマとし,館に訪れたある人物を告発するために書かれたものであることが分かる。 さらに館で起こった殺人事件は,図書室に隠し部屋が用意されていたというちょっとした謎をスパイスとし,イギリス靴の謎の推理合戦でどういった推理をしたかという点も考慮して真相が暴かれる。 真相は,アッシャーというイギリス人が,ソ連のスパイであったというもの。星野を語っていた日本人が,日系アメリカ人でアッシャーを殺人犯として,ソ連のスパイとして目をつけていたCIAの前身の組織のメンバーであり,アッシャーを逮捕する。 この手記を読んだ富井教授は,3月16日という日付けの符号,登場人物の頭文字などから自分が訪れるべき場所を島原の欄の舞台となった地と推理し,その地に現れる使者に会いにいく。 使者は,星野の娘のエリカであり,星野が残したもう一つの手記の謎のことを富井教授に伝える。 このもう一つの手記は,「グーテンベルクの黄昏」という別の作品に繋がっているということらしい。 富井教授が,推理小説の選考をしていたことなどもちょっとした伏線としてあとで絡んできたり,よくできた作品と思えるのだが,一般の評価もそれほどでもなく,個人的にもそこまで入り込めななかった。玄人の評価は高い作品なのかもしれない。 「グーテンベルクの黄昏」は読んでみたいと思っているが,この作品の評価としては★3で。好きでもなく,嫌いでもないのだが,よくできた作品だと思う。そういう作品。
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入れ子構造のミステリ。 画家の手記に書かれた殺人事件。その中で、殺されたドイツ人が残したミステリがあり、それを解く事で犯人を暴こうとする。 入れ子になっているため、非常に分かりにくく中途半端な印象。オチも中途半端で続編が出ているらしい。それを読んだらスッキリするのかもしれないが、...
入れ子構造のミステリ。 画家の手記に書かれた殺人事件。その中で、殺されたドイツ人が残したミステリがあり、それを解く事で犯人を暴こうとする。 入れ子になっているため、非常に分かりにくく中途半端な印象。オチも中途半端で続編が出ているらしい。それを読んだらスッキリするのかもしれないが、終わると思っていただけに不完全燃焼。 ストーリーは物語の都合上、入れ子になっている作品が歪になるのは理由があるが、もう少し魅せ場が欲しい。解説でも書かれていたが、理由付も説得力に欠けた。
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写本室、というタイトルから「薔薇の名前」を連想して、期待が大きかっただけにがっかり感も大きかった。雰囲気はかなり好みだったのだけれど・・・。 自分の体調が本格ミステリに没頭出来るほど万全ではなかったのも大きいかな。 ナチスの存在 世界大戦 エラリー・クイーン シャーロック・ホームズ カトリック カタリ派 聖杯伝説 アーサー王伝説 などなど、絡ませる謎めいた要素が多過ぎて、それぞれがバラバラで散漫な印象。頭でっかち感が否めなかった。 ただし、続編「グーテンベルクの黄昏」と言うのがあるらしいので、それを読んだらこのモヤモヤ感は解消されるだろうか、と期待もあり。
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あー、なんというか作者と読者の温度差を感じるかも? 本格推理小説がすきなんだねー・・・とぬるーく見守りたい気分になります。
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