9条どうでしょう の商品レビュー
内田樹の論理が分かりやすくするりと腑に落ちる。4人ともグレーゾーンにある種のソリューションを見出しているように思うが偶然だろうか?共通しているのはさらに護憲改憲どちらも何だかバカに見えてしまうように誘導される気がする読後感。
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およそ10年近く前の本ではあるが、その中で書かれていることは、「まさに、まさに今起きてもおかしくないわけであります」という安倍晋三の言葉通り、現今の政治(というか政府の暴走と自民党の劣化)状況を活写している。 とりわけ最終章の平川克美による論考は、ロジカルかつ(良い意味での)詩...
およそ10年近く前の本ではあるが、その中で書かれていることは、「まさに、まさに今起きてもおかしくないわけであります」という安倍晋三の言葉通り、現今の政治(というか政府の暴走と自民党の劣化)状況を活写している。 とりわけ最終章の平川克美による論考は、ロジカルかつ(良い意味での)詩的な表現により、読み手の心に届く憲法論である。
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4人の執筆者が憲法9条について正面から論じている。学術的にどうとか、歴史がどうとか体裁を気にしたり、ホンネが語りにくかったりと9条については自身の生活や人生にある種の覚悟を背負わないと語りにくい。そのあたりを全て腹に据えて論じている貴重な論考集だと思う。といっても難しさは微塵もな...
4人の執筆者が憲法9条について正面から論じている。学術的にどうとか、歴史がどうとか体裁を気にしたり、ホンネが語りにくかったりと9条については自身の生活や人生にある種の覚悟を背負わないと語りにくい。そのあたりを全て腹に据えて論じている貴重な論考集だと思う。といっても難しさは微塵もなく、とても読みやすくかかれている。「なるほどな」と思えるところの多い1冊でした。
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9条どうでしょう 今まで日本国憲法とは所謂マスコミや巷で言われている戦後アメリカに押し付けられたもので、日本人にとってはありがたくないものだと漠然と思っていた。 改めて自分なりに考えたことも無いし人から何か言われたこともなかった。世界でも稀にみると平和を目指した憲法だったとは! ...
9条どうでしょう 今まで日本国憲法とは所謂マスコミや巷で言われている戦後アメリカに押し付けられたもので、日本人にとってはありがたくないものだと漠然と思っていた。 改めて自分なりに考えたことも無いし人から何か言われたこともなかった。世界でも稀にみると平和を目指した憲法だったとは! 今、改憲を唱えてる人が変えてしまったら酷いことになりそうだ。変えてほしくない。しばらくこのままで頑張ってみてもいいんじゃわないかと思えた。
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実は、2012年ちくま文庫でこの本の発行を知り、「読みたい本」のリストに入れていたのだが、家計の関係でやっぱり図書館で借りました(^_^;)。それはいいのだけど、いざ手にとってみると2006年刊行の旧版でした。憲法をめぐる情勢は日進月歩、07年国民投票法成立、2009年民主党政権...
実は、2012年ちくま文庫でこの本の発行を知り、「読みたい本」のリストに入れていたのだが、家計の関係でやっぱり図書館で借りました(^_^;)。それはいいのだけど、いざ手にとってみると2006年刊行の旧版でした。憲法をめぐる情勢は日進月歩、07年国民投票法成立、2009年民主党政権で改憲勢力の後退、2012年安倍自民党政治復活で改憲勢力大盛り上がりという情勢に、果たしてこの本は役に立つのか、とマア不安に思ったのは無理無い処でしょう。 内田さんによると、この本のコンセプトは「憲法問題についてのゆるやかな国民的合意を形成するため、戦後60年間続いた護憲・改憲の二元論的スキームから逃れて書きたい」ということらしい。そのためには、メデイアからしばらく干されても構わない「虎の尾があればわざわざ踏みたくなる」人で、言葉の力によって「硬直化したスキームの隙間を抜けることの出来る」人を選んだのだと云う。 国民的合意はそんな方法で得られるものなのか、という根本的な疑問を孕みつつもとりあえず読んで見た。 確かに「言葉の力」によって書かれた本であった。ブログの世界では、なぜか改憲派はイキイキしている。彼らには「言葉の量」があるのである。量も少しでも動けば大きな力になる。護憲派は重さはあるのだが、量はない。よって力はあまりないのである。処が、この四人には「スピード」があるのだ。ご存知のように物理の世界ではスピードは力である。言葉と言葉の間を掴む間もなくすり抜けて、自衛隊は必要だと言いながら、何時の間にか改憲反対の結論に至っていたりする。大いに見習うべきであり、もう少し細かく見るために、Amazonで購入を決めたのでした(^_^;)。(つまり、内容検討は文庫本の感想の時に) 2013年4月21日読了
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内田樹、小田嶋隆、平川克美。いつもラジオデイズやブログでチェックしている3人に加えて、町山智浩氏も参加した憲法論。5月のイベントが楽しみだ。
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町山さんの話が一番おもしろかったです。平川さんのは、一応最後まで読みましたが、1mmも理解できませんでした。
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狂うことはひとつのソリューションであるが、殆どの場合問題の先送りしか出来ない、と内田さんはいいます。押し付けられた「平和憲法」とその周辺を、狂うことで先送りしてきた、と。では今話題になっている改憲は、狂うことをやめて問題を解決することになるのか。 すでに軍があるんだから改正。基本...
狂うことはひとつのソリューションであるが、殆どの場合問題の先送りしか出来ない、と内田さんはいいます。押し付けられた「平和憲法」とその周辺を、狂うことで先送りしてきた、と。では今話題になっている改憲は、狂うことをやめて問題を解決することになるのか。 すでに軍があるんだから改正。基本的人権はもう無いから改正。でいいのか。改憲派は頻繁に憲法がかわるドイツを引き合いに出すけれど、ドイツの憲法は法律のようなものも混じっていて、むしろ重要事項の改正を禁じている。 兎も角、カイセーサンセー、ハンタイ、という部分だけのデジタル的な思考はやめたほうがいいよってことだ。政治家はそうは言えないのだろうけど。
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内田樹は他の本で書いてあるようなこ。町山智浩と小田嶋隆はとぼけていながら時折シャープ。最後の平川克美は文章が読みにくくて数ページで放棄。 (内田) 経験的に言って、人間はプラスのインセンティブがあったからといって必ずしも「よいこと」をするわけではないが、ペナルティがなければほと...
内田樹は他の本で書いてあるようなこ。町山智浩と小田嶋隆はとぼけていながら時折シャープ。最後の平川克美は文章が読みにくくて数ページで放棄。 (内田) 経験的に言って、人間はプラスのインセンティブがあったからといって必ずしも「よいこと」をするわけではないが、ペナルティがなければほとんど必ず「悪いこと」をする。これは自信をもって断言できる。(P.15) 日本人は「従属国民」の現実に直面することがなんらかの形で反米闘争を結果することを、アメリカの占領当局は当然ながら恐れたはずである。だから日本人に「お前たちは奴僕だ」ということを絶えず意識化させるというのは、アメリカの世界戦略上できれば回避したいことだったのである。むしろ、日本人が自分たちは自主独立の国民であると主観的に妄想していながら、客観的にはアメリカの従属国として機能してくれるのであれば、それこそアメリカにとってベストな占領状態だったのである。(P.07) (町山)ところが憲法調査会に参加した議員はここに「国を愛する義務」を盛り込もうと言った。結局この「義務追加」は自民党の改憲試案には入らなかったが当然だ・「愛する」というのは心の動きだ。思想や信条である。それを国家が縛るのは第19条「思想及び良心の自由」違反である。(P.87) 9条改正は、大東亜戦争が侵略戦争ではないと否定する動きの1つとなっている。9条は侵略戦争の罰として戦勝国から科せられた刑であり、謝罪の証でもある。だから9条を改正して再軍備するには、戦争責任をどうにか精算しないとならない。(P.98) でも自虐史観と同じくらい、いや、それ以上に改憲派も日本人の誇りを傷つけてきたと思う。だって改憲派の主張って日本人の悪口ばっかりだもん。曰く、自衛隊は今のままじゃダメだ。曰く、日本は今のままじゃダメだ。曰く、日本人はダメになってしまった。(P.106) (小田嶋) 結局、表面的であれ平和が保たれている場所では、少なくとも「平和ボケ」の表情を浮かべて日々を暮らすことが、最も平和的な生き方なのである。(P.130) 2004年の園遊会でこんなことがあった。園遊会には日産のカルロス・ゴーン社長や将棋永世棋聖で東京都教育委員の米長邦雄さんも招かれ、米長さんが陛下に「日本中で国旗を掲げ、国家を斉唱させることが仕事です」と話し、陛下が「やはり、強制的でないことが望ましいですね」と応じられる場面があった。−(読売新聞2004年10月29日朝刊)何気ない記事だが、末尾の余韻はなんだか感慨深い。つまりこの国の右傾化に歯止めをかけているのは、いまや天皇家の人々であるということだ。(P.151)
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