夏至南風 の商品レビュー
汚いものが美しく、美しいものも汚く。長野まゆみの文体でなければ、ひたすら悪臭に満ちた世界となっていたでしょう。
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再読。好きだけれど気持ち悪い。気持ち悪いけれど大好きな話。腐乱した甘いにおいが鼻先でするかのような。
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主人公の住む町、ハイランディのむしむしとした怪しい空気がずっと。 うだるような世界観がとっても好き。
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長野さん、好きだし基本外れたことないんだけど此れは無理だった。でも頭に残ってる。文章は綺麗だし。読み終えたあと吐き気がしたけど、何故か図書館で一度読んだのにかかわらず今手元にある。
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今まで読んできた長野まゆみ作品の中最も過激で驚きました。腐った臭いがこちらまで漂ってきそうな描写なのに何故か美しさを感じてしまった。 いつもの長野まゆみの作品の艶やかさとか美しさはこの醜さと紙一重なのかなー。俗物的なモノをとことん嫌悪する姿勢に感動。
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南国の、イメージとしてはベトナムか。熱い南風が、果物や野菜ばかりか肉体までも腐敗させていく。完璧な美をもつビーシアの、なんという結末。人を人とも思わずむごい目に合わせて楽しそうに哂っていたビーシア。「君なんか誰も愛さないよ。そして、君も誰をも愛しはしない。」そう言い放ったクーラン...
南国の、イメージとしてはベトナムか。熱い南風が、果物や野菜ばかりか肉体までも腐敗させていく。完璧な美をもつビーシアの、なんという結末。人を人とも思わずむごい目に合わせて楽しそうに哂っていたビーシア。「君なんか誰も愛さないよ。そして、君も誰をも愛しはしない。」そう言い放ったクーラン。自分を嫌悪し、美しい人をも嫌悪する。しかし、その人が変わり果てて目の前に現れたとき…。 ごみごみとしたスラム、不衛生極まりない港町、そこでレイプされる少年たち。しかし、それは日常茶飯事。ビーシアは、ほぼ間違いなく情性欠如のサイコパスだと思う。ただ、この作品全体を流れる雰囲気…生きるのが容易ではないのに生きることにどこか真摯ではないという気配のなかで、ビーシアはこれ以外の人格ではありえない、と思う。 今まで読んだ長野作品の中では、好きな作品です。
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初期の長野本は好きです。 中学の頃読んでたな。本棚にはかなりの量ある。 特にこれと、「夜啼く鳥は夢を見た」「雨更紗」がすきかな。 途中からやたらと高村薫化して、 BL臭がどぎつくなって駄目になってしまって、読まなくなったけど。 なんでいきなり同人本みたいなのを書いちゃうようになっ...
初期の長野本は好きです。 中学の頃読んでたな。本棚にはかなりの量ある。 特にこれと、「夜啼く鳥は夢を見た」「雨更紗」がすきかな。 途中からやたらと高村薫化して、 BL臭がどぎつくなって駄目になってしまって、読まなくなったけど。 なんでいきなり同人本みたいなのを書いちゃうようになったんだろうね… ど ん び き 。
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初期長野とはまた異なるので、少年アリスや夏至祭を好んでいる方にはあまりお勧めできない…かもしれない。 官能的で汚濁にまみれている。 真実は美とは限らない、腐臭の底にこそ。
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好きじゃない。怖い、ホラーとはジャンルが違うんだけど、ホラーより怖い。 長野さんにしては珍しい汚い表現が多かったなぁ… 長野さんのファンタジー系(テレヴィジョン、アリス、野ばらなど)が好きで読んでいる方にはお勧めできないな
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一言で言ってしまうと、気持ち悪くて、いかがわしい。 あまり人に薦め(られ)たくないような、逆に薦めたいような、…万人に好かれるモノでないことは確か。 地面から湧き上がるようなじっとりとした文体で、綺麗なものがたくさん…ではない。 すべてを腐らせてしまう、夏至南風。 どこかの遠い...
一言で言ってしまうと、気持ち悪くて、いかがわしい。 あまり人に薦め(られ)たくないような、逆に薦めたいような、…万人に好かれるモノでないことは確か。 地面から湧き上がるようなじっとりとした文体で、綺麗なものがたくさん…ではない。 すべてを腐らせてしまう、夏至南風。 どこかの遠い、知らない国の風景にまぎれて、ギラギラと、生に執着するような描写がたまらない。…いや、逆に執着していないのかもしれない。よみたくないのに、よんでしまうのだ。 今まで読んできた長野まゆみの小説とは少し違う気がした。根本では変わらないものがあるのだと思うが。 解説をよんで、ああ、わかったような、わからないような。そういう曖昧さすら心地いいと思えてしまうほど。私は中毒になっているのかもしれない。 そして吐き気を催すほどの言葉の並びに、登場人物の名前がすごく美しく転がっている。 どんな内容であっても、私はこの人のそういう部分でのこだわりがすごく好きだったりする。
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