漢詩をよむ 陸游100選 の商品レビュー

石川忠久(著者)

2009/10/04

南宋を代表する愛国詩人、陸游の作品100首。
ただし、一首が幾つかに分かれてたりもするので、実際は120首以上あります。
NHK漢詩紀行の石川忠久による編集です。
胡族（北方騎馬民族）の征服王朝・金に屈服した漢族王朝の南宋にあって、華北の奪還を叫び続けた陸游の詩は、愛国心と悲壮感に満ちています。
また新婚１年で泣く泣く離縁せざるを得なかった元妻への思いを綴った「釵頭鳳」をはじめ、生涯一人の女性を思い続けた、哀切に満ちた作品も数多く収録されています。
とは言え、再婚した後妻との間にも何人もの子供を生してるんですけどねｗ
自然派詩人としても名高く、「山西の村に遊ぶ」や「漁翁」などの名作もあります。
陶淵明、杜甫、李白などの古の大詩人たちを讃えた「陶詩を読む」や「李杜の詩を読む」なども。
それにしても、この陸游という人間の人柄が解る作品が多いですが、随分まぁ悲観的な人ですねｗ
猿の声を悲しげに聞いているけど、普通の人なら猿たちが楽しんでるように聞こえないかな？ｗｗｗ
また平和主義者ではなく、国土回復のために戦争を焚きつけようという作品が多いですが、こんにちの日本の右翼を連想してしまいますね(;^_^A

ニン、トン♪