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200CD 音楽史を聴く の商品レビュー

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2023/03/30

他の「200音楽書シリーズ」同様、基本は1ページ内で完結している。ページ内のフォーマットは、ページの上部に曲名とお勧め盤が掲載され、その下に本文、左脇に関連盤1~2枚掲載というものである。 1ページ1曲で完結するフォーマットで音楽史を説明するのは難しい。曲を年代順に並べても、各...

他の「200音楽書シリーズ」同様、基本は1ページ内で完結している。ページ内のフォーマットは、ページの上部に曲名とお勧め盤が掲載され、その下に本文、左脇に関連盤1~2枚掲載というものである。 1ページ1曲で完結するフォーマットで音楽史を説明するのは難しい。曲を年代順に並べても、各ページの文章が繋がっていないので、どうしても、パッチワーク的な繋ぎ合わせの感じがする。また、1ページという文字数の制約から、説明不足に陥ってしまっている部分も少なくない。一つ例を挙げれば、ミヒャエル・ハイドンのページで、ヨーゼフ・ハイドンの弟ということが一言も書かれていない。 取り上げられている曲も、この作家家でなぜこの曲なのか疑問に思うこともある。また、ヨーゼフ・ハイドンは3曲取り上げられているが(合計3ページ分)、バッハは「無伴奏チェロ組曲」1曲しか取り上げられていない(1ページのみ)のも少々疑問が残る。 国民楽派の作曲家が一切取り上げられていないのも不思議だ。休憩時間と題したコラムでさらりと紹介してはいるが、メインページではロシア五人組はもとより、チャイコフスキーもドヴォルザークもスメタナもグリーグも、誰一人として取り上げれていない。 以上の様な点から、西洋音楽史の本として見れば、不満も出てくるが、楽曲を音楽史の流れに沿って年代順に並べた名曲名盤の紹介本として見れば、なかなか良い本だとは言える。 この本に向いているのは、門外漢やビギナーではなく、何冊か音楽史の本を読んでいて、音楽史の流れがわかっている中級者以上ということになろう。

Posted byブクログ