20年目のザンボット3 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人間爆弾に改造された人々を救う手立てを持たぬヒーロー、のみならず、恋人未満のヒロインまで人間爆弾に変えられてしまい、彼女を助ける方法を見出せぬまま、そして、無力感に苛まれつつ、ヒーローは彼女の爆死を目の当たりにする。 一方、俗に正義の味方であるはずの巨大ロボットの活動に非難の目を向ける住民・市民たち。 確かに、絵は上手くない。当時の技術、人的・時間的制約(つまり経済的制約)下では致し方ないのだろう。しかし、物語の価値は絵の巧拙だけで決まるものではない。 「アキーっ。ちっくしょう…」という大山のぶ代氏の芝居に体が震えたことを思い出す。富野喜幸の作家性が全面に表れた珠玉の一編であり、この魅力を余すところなく本書は伝えている。
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