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3分間セルフ・コントロール法 の商品レビュー

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2014/10/27

 「なぜ、〜なのか」といった形式で、誰にでも身に覚えがある心理や行動を分析し、それに対する処方箋を提言している。個々に取り上げている対処法と具体的ケースがとても充実しており、項目ごとに得られる納得は非常に有益。思い込みであることも多いが、その思い込みが精神的安堵感をもたらすことも...

 「なぜ、〜なのか」といった形式で、誰にでも身に覚えがある心理や行動を分析し、それに対する処方箋を提言している。個々に取り上げている対処法と具体的ケースがとても充実しており、項目ごとに得られる納得は非常に有益。思い込みであることも多いが、その思い込みが精神的安堵感をもたらすこともある。これはプロセスはどうであれ本書を読む大きな効用である。  「悩みというものは考え方を変えることによって強くなったり弱くなったりする」とは心理関連の本では定番の理屈であるが、その「考え方を変えること自体が難しいのではないか」ということがこの手の本を読んでいていつも思うことである。「本書は考え方」を変える具体的な方法論が他の類似本と比べて詳しく述べられているのが特徴。  考え方をコントロールする方法はフロイトの精神分析以降多く研究されているが、ある時点から「身体」からそれを行うという方法が増えてきた。もちろんその方法は古来からヨガや座禅などによって実践されているのだが、一度「心」に踏み込んだ研究を踏まえたうえでのそれは、単純な身体論に比べて強い説得力を持っている。さらには日常的な「行動」によって精神をコントロールするということも森田療法などの提唱によって一般化しているといった状況を踏まえてみると、ここであえてもう一度純粋に「思考」にもどってのセルフコントロールを考えてみることも一つの方法だといえる。文学や哲学はそのツールとなっていくだろう。そうしたことを「行ったり来たり」しているうちに「心身」の統合というものが現れてくるのではないだろうか。

Posted byブクログ