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20世紀日本怪異文学誌 の商品レビュー

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2019/01/28

 本書は主に明治期から現代まで「ドッペルゲンガー」が描写された文学作品を取り上げて、その創作背景を紹介しながら作品分析を行っています。  「ドッペルゲンガー」というのは、同一人物が同時に異なる場所に現れる怪異現象であり、「生霊」、「分身」、「第二の自分」などの言い方もあります。特...

 本書は主に明治期から現代まで「ドッペルゲンガー」が描写された文学作品を取り上げて、その創作背景を紹介しながら作品分析を行っています。  「ドッペルゲンガー」というのは、同一人物が同時に異なる場所に現れる怪異現象であり、「生霊」、「分身」、「第二の自分」などの言い方もあります。特に大正期ではもうひとりの自分が目の前に現れる時の不安や恐怖を描いた自己分裂の物語が多く書かれており、近代化がもたらす技術革新や思想変遷に対して、近代の人々が感じた不安と齟齬が「ドッペルゲンガー」として表象されています。  このように、「近代特有の病」と見られてきた「ドッペルゲンガー」が文学作品でどのように描写されているのかを知りたい方、SF作品や探偵小説に興味のある方におすすめ します。 (ラーニング・アドバイザー / 国際日本文化 YO) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1205916

Posted byブクログ