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2021/07/29

夏が来ると喜多嶋隆を読みたくなる。 彼の著作には湘南をはじめ、 ハワイや世界の海の匂いがする。 直接海に行くのが難しい今年の夏は、 余計にその風景が眩しく感じられる。 ヨットやサーフィンの疑似体験もできる。 足の下に揺れ動く波を感じ、 地球の鼓動と一体になる感覚を味わう。 じりじ...

夏が来ると喜多嶋隆を読みたくなる。 彼の著作には湘南をはじめ、 ハワイや世界の海の匂いがする。 直接海に行くのが難しい今年の夏は、 余計にその風景が眩しく感じられる。 ヨットやサーフィンの疑似体験もできる。 足の下に揺れ動く波を感じ、 地球の鼓動と一体になる感覚を味わう。 じりじりと肌を焼く強い日差しと、 日陰のひんやりした感じに身を任せる。 扇風機の風がTシャツを揺らし、 自然と戯れた疲れのまま昼寝を貪る。 夏がそこにある。 喜多嶋隆がつくりだす世界には、 音楽も欠かせない。 今回奏でられるのはウクレレ。 切なげな音色は海にも夏にも似合う。 舞台は焼けつくようなビーチもいいし、 あちこちに昼の熱気を残す夜もいい。 耳を傾けながら、 古い記憶をそっと思い出し噛み締める。 主役は二人の少女。 ヨット大会でハワイから来日した少女と、 サーフィンで身を立てようと 新潟から出てきた少女。 二人は湘南の海で出会う。 育ってきたバックボーンも夢も異なる二人。 大切なものを失った失意と挫折を ともに抱えている。 それを音楽が癒していく。 ウクレレ始めようかな。

Posted byブクログ