Sing(1) の商品レビュー
夏が来ると喜多嶋隆を読みたくなる。 彼の著作には湘南をはじめ、 ハワイや世界の海の匂いがする。 直接海に行くのが難しい今年の夏は、 余計にその風景が眩しく感じられる。 ヨットやサーフィンの疑似体験もできる。 足の下に揺れ動く波を感じ、 地球の鼓動と一体になる感覚を味わう。 じりじ...
夏が来ると喜多嶋隆を読みたくなる。 彼の著作には湘南をはじめ、 ハワイや世界の海の匂いがする。 直接海に行くのが難しい今年の夏は、 余計にその風景が眩しく感じられる。 ヨットやサーフィンの疑似体験もできる。 足の下に揺れ動く波を感じ、 地球の鼓動と一体になる感覚を味わう。 じりじりと肌を焼く強い日差しと、 日陰のひんやりした感じに身を任せる。 扇風機の風がTシャツを揺らし、 自然と戯れた疲れのまま昼寝を貪る。 夏がそこにある。 喜多嶋隆がつくりだす世界には、 音楽も欠かせない。 今回奏でられるのはウクレレ。 切なげな音色は海にも夏にも似合う。 舞台は焼けつくようなビーチもいいし、 あちこちに昼の熱気を残す夜もいい。 耳を傾けながら、 古い記憶をそっと思い出し噛み締める。 主役は二人の少女。 ヨット大会でハワイから来日した少女と、 サーフィンで身を立てようと 新潟から出てきた少女。 二人は湘南の海で出会う。 育ってきたバックボーンも夢も異なる二人。 大切なものを失った失意と挫折を ともに抱えている。 それを音楽が癒していく。 ウクレレ始めようかな。
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