阪神大震災 の商品レビュー

社会・文化

2013/08/21

震災の2月20日から約半年に亘り掲載された読売新聞社会面の記事はドキュメントとしては文章が優れ感動的な読み物で、毎日読むのを楽しみにしていました。震災10年を迎え、あの時の感情を思い起こすためにほぼ10年ぶりに読んでみました。今となっては当時と違い、冷静な気持ちで読めましたが、それだけに驚いたのは、以前は気にならなかったスイス、フランスからの日本救援申し出の早かったこと。そして韓国も日本政府より2時間前に対策本部を立てたとのこと。そのことを以ってしても日本の官僚がいかにお粗末であったかが海外の新聞に出たというのです。そして韓国のマスコミが在日を取材した際に「迫害はなかったか？」と質問し、「時代が違う。」と一笑に付されたとのこと。しかしながら、在日は通名と２つの名前を持つがゆえに死亡確認が遅れたこと、また長田区の木造建築に住む比率が高く、死亡率は一般の日本人の２倍近く高かったという、悲劇は改めて感じます。そしてマスコミ、民間企業、自衛隊、消防、警察の活躍・苦闘を立体的に描いています。読売は震災に関しては非常に良い取材をしていたと思います。