おたまさんのおかいさん の商品レビュー
大阪の被差別部落・日之出というムラを舞台にした絵本。 情に厚く、肝っ玉のでっかい"おたまさん"の作る"おかいさん"は家族だけではなく、お金に困った知人や夫婦喧嘩中の町内の人のおなかも心も満たしてくれる。 自身も決...
大阪の被差別部落・日之出というムラを舞台にした絵本。 情に厚く、肝っ玉のでっかい"おたまさん"の作る"おかいさん"は家族だけではなく、お金に困った知人や夫婦喧嘩中の町内の人のおなかも心も満たしてくれる。 自身も決して裕福ではないだろう境遇のなかで、家族だけではなく知り合いの為に"おかいさん"を作り、振る舞う"おたまさん"の人柄にこちらまで温かい気持ちにさせてくれる絵本。 長谷川義文さんの描く絵も素敵。 "おかいさん"を食べたあとの満たされたみんなの笑顔が良い。あったかいものを食べたので何人か鼻水が出てるのがリアル(笑) 関西弁の話し言葉や"おかいさん"という語感も素敵。声に出して読みたい、誰かに読み聞かせしたくなる絵本。
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なんにもはっていないおたまさんに、呪文のような言葉をかけると、なんとかまのなかに、おかゆが…。 このおかゆがおいしいのなんのって! どんな揉め事も一発解決!
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戦争中の大阪で、おたまさんは2人の孫と一緒に住んでいます。おたまさんの家には、近所の人が寄ってきてはおかいさん=おかゆを食べていきます。そのおいしさに、みんな黙々と食べ、3杯はおかわりしてしまうほど。 そして食べた人は、元気が出たり、仲直りしたり、その効果も抜群です。 後書きを...
戦争中の大阪で、おたまさんは2人の孫と一緒に住んでいます。おたまさんの家には、近所の人が寄ってきてはおかいさん=おかゆを食べていきます。そのおいしさに、みんな黙々と食べ、3杯はおかわりしてしまうほど。 そして食べた人は、元気が出たり、仲直りしたり、その効果も抜群です。 後書きを読むと、部落差別であったり戦後の貧困だったりつらい背景を扱っている絵本なのだとわかります。 しかし絵本には、貧しくても、心が豊かなおたまさんを中心に、近所中が家族のような温かさ、生きようとするパワーがあります。子供たちにはそんな迫力が伝わればいいと思います。
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