POPな哲学 の商品レビュー
身近な話題で哲学を説明するという内容なのだが、約30年前の本なので中には古い話題もあり、中高年は懐かしく読めるかもしれないが、若い人には何の話なのかわからないのもあるかもしれない。
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現代までの主要な哲学者の主張を簡潔にまとめ、しかも実生活に即して分かりやすく説明している良書です。 今までにも哲学入門書を幾つか読みましたが、ここまで分かりやすいものはありません。哲学に興味を持った人は本書を足掛かりにして勉強していくとよいでしょう。 因みに本書末の『あなたのテツガク型チェック』では、僕は『ニーチェくんタイプ』でした(笑) 哲学というのは気難しい人間の暇潰しツールではなく、人がより良く生きていくための指針です。そのため、著者の言うように『一部の人にしか解らないような難解なゴタクを並べて悦に入るのは哲学ではない』というのは真っ当で正論です。言うならば、今までの哲学というのは閉鎖的な世界での議論だった。今後の展望としては、情報公開が進み、より開かれた学問に変わっていくだろうと予想されます。 これは僕の持論ですが、哲学は総ての学問を束ねる学問、つまり『学問の総体』が哲学だと思います。『世界の仕組み』を解き明かすために物理や地理、数学、気象等々が発展したり、『私って、誰?』という疑問を解決するために心理学、社会学、言語学、歴史等々が発展したり、とにかく哲学の諸問題を解決する手段として様々な学問が発展するわけで、哲学が蔑ろにされる時代は本末転倒な気がします。 1994年の作品で、入手困難かもしれませんが、読みやすく分りやすく、入門書としては適当な一冊です。
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