咆哮は消えた の商品レビュー
狼、雉、鷲、鰡などバ…
狼、雉、鷲、鰡などバラエティー豊かな動物たちが登場しますがこれらの動物は獰猛でそれが神の領域まで踏み込んでいるような錯覚を感じます。文章からあふれ出す生命の力に圧倒されました。
文庫OFF
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※このレビューにはネタバレを含みます
【本の内容】 押し込み強盗で金を独り占めした徳蔵は、伊那谷に逃げ込み廃寺に住みついた。 山中で仔犬を拾いゴロと名づける。 肉食しか受けつけぬ凶相の野犬だった。 ある晩秋の夜、ゴロは凄まじい咆哮を残し行方を断つ。 二ヵ月後、木曾山中で日本狼が出現し、姉を殺された猟師が追跡中との新聞記事が出た。 ゴロに違いない。 徳蔵は木曾へ向かう。 一方、廃寺では復讐に現れた強盗仲間が村人に暴虐の限りを尽くしていた…。 [ 目次 ] [ POP ] 今まで西村寿行=エロ。という方式が自分の中では常識だった。 ご本人(見てるわけないけど)及び関係者の皆様、誠に申し訳ございませんでした! いやいや、冗談でなく本気で反省した。 吉村昭の『羆嵐』が大好きな自分にはまさにうってつけの動物もの短編ばかり。 滅びていく日本狼の雄雄しさ、それに立ち向かっていく男たちの凄まじさ、自然の中で生きるものの残酷で過酷な世界。 動物たちの存在に畏怖と敬意を抱き、まるで何かにとりつかれた様にそれに向かっていく爺さんたちの姿がとにかくかっこいいのだ。 そして、それにも増してすごいのが動物の存在感だ。 もちろん彼らにはセリフなどないが、不思議と表情や言葉がこちらに伝わってくる。 著者の筆力の凄さを実感した。 中でも、『海の修羅王』の石鯛<歯っ欠け>との死闘は迫力があり、心を鷲掴みされた。 著者に対して私と同じような印象を抱いている人にはぜひ、一読することをお勧めしたい。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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野生の動物の生き様を突きつけられているような気がした。生きることへの真剣さ、執着が人間とはまるで違う。
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