上弦の月を喰べる獅子(上) の商品レビュー
初夢枕獏。仏教の造形の深さと言葉選びと虚実のセンスが光る。 螺旋に魅入られた男。むせ返るジャングルの呼吸。森羅万象、南妙法蓮華経、生物の進化「脱皮」と「なれなかった物」、螺旋虫、業と縁、あにといもうと。海から来たものアーガタ。わたくしといふ現象は、青白く光る一つの交流電燈です。 ...
初夢枕獏。仏教の造形の深さと言葉選びと虚実のセンスが光る。 螺旋に魅入られた男。むせ返るジャングルの呼吸。森羅万象、南妙法蓮華経、生物の進化「脱皮」と「なれなかった物」、螺旋虫、業と縁、あにといもうと。海から来たものアーガタ。わたくしといふ現象は、青白く光る一つの交流電燈です。 仏教観と宮沢賢治と生命の神秘の混じった、SFなのかファンタジーなのか、底を覗いてもただ闇しか見えず、それでいて突き詰めるところが「人間は、しあわせになれるのですか」なのが、深い。 この文脈で宮澤賢治のこの詩を持ってくるか、この章は、この思想と文体をベースに創作するのか、どっぷり底に沈むようで憑かれたように読むしかなく、展開の面白さはないけれど、さすが博識だ。
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ひとつの神話を読んでいるような気分。仏教にはまったく詳しくないので、正直よくわからないところも多い。下巻でどこまで連れていかれるのか。
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10年ぶりの再読。やはり、いい。惹き込まれる。幻想的で脈絡もないように見えて、いろいろと思い当たることがあり、不思議な気持ちになる。
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何となく、雰囲気が 海辺のカフカっぽい。 1988年の小説だなんて… 面白いです。 20120508
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入りからはラストは想像もつかない。 螺旋、二人で一人、ガジェットの繰り返しを物凄くうまく使っている。 宮沢賢治とその妹の関係、 男、 アシュヴィン双人。 SF好きなら用意された小道具に食らいついてぐいぐい読まされる。 古い本らしいが、何故そんなに話題に上がらないんだろう? わた...
入りからはラストは想像もつかない。 螺旋、二人で一人、ガジェットの繰り返しを物凄くうまく使っている。 宮沢賢治とその妹の関係、 男、 アシュヴィン双人。 SF好きなら用意された小道具に食らいついてぐいぐい読まされる。 古い本らしいが、何故そんなに話題に上がらないんだろう? わたしが知らないだけか? 陰陽師が有名になりすぎたせいか?
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再読。 実は進化と螺旋と仏の話は何度もモチーフとして作者の作品に何度も登場しているが、真正面から語った話は本作に尽きる。 読み直してみると、混沌の城とか幻獣変化とかの他の作品が読みたくなるのが不思議。
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一度読んだ本を何年か後に、また読み返したくなる現象を 何て言うか知らないけど、 星の数ほどある書籍の中で、 『上弦の月を喰べる獅子』が 「何年か後に、また無性に読み返したくなる本」 であることは、間違いない。 どこまでもどこまでも どこまでも旅を続けたら 何が見えるん...
一度読んだ本を何年か後に、また読み返したくなる現象を 何て言うか知らないけど、 星の数ほどある書籍の中で、 『上弦の月を喰べる獅子』が 「何年か後に、また無性に読み返したくなる本」 であることは、間違いない。 どこまでもどこまでも どこまでも旅を続けたら 何が見えるんだろう。 みたいな部分が好き。 螺旋、月、男と女、生物、森林浴 どれか一つでも興味ある言葉がある方は是非御一読を!
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おそらく日常生活のささいなことの因果(原因・結果・その後)をやたらと考える質になったのはこの本と「月に呼ばれて海より如来(きた)る」のせいだと思う・・・。
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何度目かの再読。 大学生の時に初めて読んで(ハードカバー版)、読み終えてすぐに二周目に突入した。熱にうかされたようだった。 それから何度読み返しても、心が震えて涙なしでは読めない。 特に六~七の螺旋辺り。 今思えば文章が若いなぁ、とか荒いなぁと思うところも多々あるけれど、それを補...
何度目かの再読。 大学生の時に初めて読んで(ハードカバー版)、読み終えてすぐに二周目に突入した。熱にうかされたようだった。 それから何度読み返しても、心が震えて涙なしでは読めない。 特に六~七の螺旋辺り。 今思えば文章が若いなぁ、とか荒いなぁと思うところも多々あるけれど、それを補って余りあるほどの勢いと熱量。 そしてまだまだ、旅の途中。 “――人は、幸福せになれるのですか。”
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