獅子 の商品レビュー
かの有名な真田幸村の…
かの有名な真田幸村の兄である信之の晩年の話。他の作品でも示されているように信之のその実直な性格が好きでした。幸村が討ち死にした大阪冬夏の陣のその後にも触れながら、93歳の隠居生活から松代十万石を守るため再び、その才覚を使い困難に立ち向かう。跡継ぎ問題で愚鈍な長男の子と生まれたばか...
かの有名な真田幸村の兄である信之の晩年の話。他の作品でも示されているように信之のその実直な性格が好きでした。幸村が討ち死にした大阪冬夏の陣のその後にも触れながら、93歳の隠居生活から松代十万石を守るため再び、その才覚を使い困難に立ち向かう。跡継ぎ問題で愚鈍な長男の子と生まれたばかりの幼い次男の子をそれぞれ後継として藩が真っ二つに割れた。愚鈍な長男の子を後押しする老中酒井忠清と幼い次男を後押しする信之の知略を使った戦い。派手な戦いではなかったですが、信之の常に民のをこと考える性格や忠臣との絆の強さなど、さす
文庫OFF
「大名たるものは、いずれも名君でなくてはならず・・」と、言い切る信之兄上は、流石です。 やはりこの方あっての真田家ですね。
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九十歳をこえてなお、「信濃の獅子」と謳われた真田信之。当主の突然の死に伴う後継者争いをめぐり、松代十万石の存亡を賭けて下馬将軍・老中酒井雅楽頭忠清に挑む老雄の、乾坤一擲の隠密攻防戦。(親本は1973年刊) 久しぶりの再読。本書の刊行が1995年なので、初読は20年も前の事になる...
九十歳をこえてなお、「信濃の獅子」と謳われた真田信之。当主の突然の死に伴う後継者争いをめぐり、松代十万石の存亡を賭けて下馬将軍・老中酒井雅楽頭忠清に挑む老雄の、乾坤一擲の隠密攻防戦。(親本は1973年刊) 久しぶりの再読。本書の刊行が1995年なので、初読は20年も前の事になる。今読んでも、色褪せない面白さがある。 内容は地味である。あまり派手さはない。隠居である信之が、孫の家督相続をめぐって、老中酒井忠清と駆け引きをするというものである。信之は松代の隠居所を動くこともなく、血で血を洗うわけでもない。しかしながら最後まで読ませるのが、池波正太郎である。同じ事件を扱った「錯乱」もオススメ。
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真田一族と池波正太郎との縁は深い。「錯乱」で直木賞を手にしたのは昭和35年、その後「真田騒動」、「信濃大名」、「恩田木工」そして大作「真田太平記」へと繋がる。 ストーリー・テラーである池波さんの真田作品は奥が深くイイですね。
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「真田太平記」の続編として読了。 豊臣と徳川、父と弟、二人の孫と、2つの勢力に翻弄され続けた真田信之の運命を見ると色々と感じてしまう。 小説自体は娯楽色が強くて、史実に沿っているかは疑問。 それでも、魅力あふれる登場人物と起伏に富んだ物語に仕立て上げるのは流石の池波節。
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一昨年前に隠居したところからはじまり、死を迎えるまでの真田信之の物語。 田植え時期に領内をまわることが愉楽で、田植歌を好むところは〃のぼうさま〃みたい。 夢中になって、寝不足・・・。 父と弟が血の気の多い人だったからこそ、冷静にまわりを見渡せる人格になったんだろう。 自分が...
一昨年前に隠居したところからはじまり、死を迎えるまでの真田信之の物語。 田植え時期に領内をまわることが愉楽で、田植歌を好むところは〃のぼうさま〃みたい。 夢中になって、寝不足・・・。 父と弟が血の気の多い人だったからこそ、冷静にまわりを見渡せる人格になったんだろう。 自分が冷静な訳ではなくて、抑える術を持っている、というか。 そして領民・家臣を大事にするから、慕われる。 格好良い。
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真田の跡継ぎをめぐるお家騒動で、九十を超えた信行と幕府老中の酒井との、息詰まる水面下の攻防。文庫『真田騒動』に収録の別作『錯乱』をより詳しく書いた話。 読んだ時の物語としての、驚かせる結末の書き方は『錯乱』が面白いけど、こちらは信之の行動や考えをじっくり書いていて、その言葉には重...
真田の跡継ぎをめぐるお家騒動で、九十を超えた信行と幕府老中の酒井との、息詰まる水面下の攻防。文庫『真田騒動』に収録の別作『錯乱』をより詳しく書いた話。 読んだ時の物語としての、驚かせる結末の書き方は『錯乱』が面白いけど、こちらは信之の行動や考えをじっくり書いていて、その言葉には重みがあります。そして信行の言葉行動ひとつに、領民や家来の最大級の敬愛と信頼が向けられ、その肩に乗っているのがわかります。 謙遜するのではなく、大名が名君であるのは当たり前のことだと言える信之は凄い。
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書きかけ。 戦国武将・真田信之の晩年を描いた、真田太平記の後日談とでも言うべき作品。 なんというか、著者の信之への愛があふれすぎていて、ちょっぴり恥ずかしいような照れるような軽く引くような、そんな小説です。
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僕は池波作品で一番好きなものかも、、 真田一刀斎信之晩年を舞台にしたスパイものです。 年老いた信之が頭脳戦を幕府と繰り広げるないようなんですが、 泣ける台詞が満載。 「世に名君などおらぬ、云々」しぶい! ラスト、泣けます! このラスト人に説明するだけで泣いてしまう。
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真田太平記、その後の話 1人生き延びた 信之のその後の苦労が語られているとか いないとか・・・ まだ手に入れてないですがいつかは読みたい。
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