痛々しいラヴ(新装版) の商品レビュー

魚喃キリコ(著者)

2020/12/21

とりあえず、作者の名前が「なななん きりこ」ってすごい。

セックスを覚えた、20代くらいの女性が主役の短編集。

女性目線で、リアルながら淡くてせつない感じ。

これが好きな女性には、映画なら『ブルーバレンタイン』 『チェイシング・エイミー』 『さようならみどりちゃん』、小説なら　『ナラタージュ』（島本理生） 『トパーズ』（村上龍） 『刺青・秘密』（谷崎潤一郎）を読んで、男目線のせつない性を知ってほしい。

2018/06/26

詩集のような短編集。イカすジャケット！

「純粋にキスできないような相手とは
するもんじゃないと思うし
純粋なキスってのは
すなわち愛だと思うんだけど」

「あたしはそいねしてるだけで
充分キモチよかったりしてさ」

『その鮮やかをどうやって忘れたらいい？』

松本大洋的！

『いかにクダラナクて又、
いかにそれがシアワセか』

カッコわるくて、かわいいの

『『『友達のおしまい』』』

話すことないね なにを話そうか

あたしたちは ただ口をふさぐためだけみたいに
タバコを吸う

会話はぜんぜん につまってませんよ
リラックスしていて とても楽しいですよ
っていう顔をして

だけど吸いガラの数は正直だ

むかしはよかったね

『ライフプランニング』
だって生臭い生活感は
それだけで強いと思ったんだもん

2015/11/29

　魚喃さんの作品は絵ももちろんだけど、それよりも文章を楽しむって感じがして、漫画なんだけど詩的感覚、小説的感覚を覚える。
　恋愛ものもとても良かったけど、「友達のおしまい」が一番印象的だった。昔は良かったのにね、と思ってしまう時がいつか来るかもしれないと思うと寂しい。

2013/08/17

所謂少女漫画、の対極にある感じの絵柄。小野ナツメさんとかもだけど。
美大生っぽい。

男とか女とか、気だるい感じ。

2012/12/20

　精神的に痛々しい恋愛とセックスのはなし。
　恋人の香りが忘れられなくて日がな一日中その香りのことを考えてしまうはなしとか、お金のためにパトロンと寝て吐いてどんちゃん騒ぎしてパトロンと寝てを繰り返すはなしとか。
　とにかく痛々しい。精神的にクる。でも、なーんか、分かるような、分からないような、そんな感覚が身に染みていくわけですよ。

2009/10/31

横顔の線とかまつ毛とかベルト外す手とか、まぶたの線だとか黒目の輪郭だとか手首の出っ張った骨だとか、この人の描く線がホント好きだ
絵うますぎ
恋愛経験ない私は正直どこを読めばいいかわからなかったけど、絵見てるだけで充分楽しい
内容をもっと深く楽しめる日が来ますように

2009/10/04

これも中学のとき読んでたよ。

「大丈夫　あたしアコムのカード持ってるから」
っていうせりふが凄く中学3年生としては印象的だったという…
アコムて！

でもね、中学生にはなんかまだ早かったんだな〜とか今読んでしみじみ思う。
なんかこう、年を経てわかることがあるなあとか。
まあそんな言うほど中身成長してないんだけどｗ

2009/10/24

切り取り方がとにかく秀逸
女は複雑なものですと感じます。
ほぼ全てに共感が及ぶということが凄いわ、
それだけわたしはありふれていて俗な女なんでしょうか。
でも女なんてそんなもんやろ　と、どこかで思ったりもしています。
そんな感情が詰まっているような一冊です。
女なんてそんなもんやろって口に出したくなる感覚

2009/10/04

「痛々しい」というよりも
人はいろんなものを肥料にして
「生きていかなくちゃならないんだよ」
っていわれている気分。
悲しくたってお腹は減るし、
眠くもなる。そうやって生きていくんだ。
そう思った。