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戦国幻想曲 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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爽快な戦国英雄伝なの…

爽快な戦国英雄伝なのですが、最後まで読むと、ほろりと来てしまいます。あえて目出度し目出度しな大団円にせずに寂しさを残した池波正太郎の巧さなんでしょうか。そのせいか、ずっと心に残る作品になってます。

文庫OFF

池波正太郎といえば、…

池波正太郎といえば、「鬼平」や「剣客」などの長編や料理ばかりが話題に上るが、この作品は僕の一番のお薦めです。男らしさの点では群を抜いてます。。

文庫OFF

2023/05/20

 テンポよく読むことができた。槍一筋に戦国時代末期から江戸時代初期を生き抜いた渡辺勘兵衛の物語である。主の器量を見、己が頼むに足らぬ人物であれば見限ること五度、最後は再び浪人をし京都にて人生を終える。己を信じること、微妙な親子の情愛、豁然とした性格が颯爽とした物語の形作っている。...

 テンポよく読むことができた。槍一筋に戦国時代末期から江戸時代初期を生き抜いた渡辺勘兵衛の物語である。主の器量を見、己が頼むに足らぬ人物であれば見限ること五度、最後は再び浪人をし京都にて人生を終える。己を信じること、微妙な親子の情愛、豁然とした性格が颯爽とした物語の形作っている。  阿閉・真田・中村・増田・藤堂と槍の勘兵衛として渡り歩いた人生を描いている。しかし的を得た主人には巡り会うことができなかった。あるのは最初の手柄である織田信忠を助けての一番乗りの強烈な記憶のみである。理想が主人としての理想像が仕えることなく終わった故の悲劇である。時期を得ず藤堂家に使えることになり前主人の若殿に理想を見てしまうことの不幸がどことなく悲しい。しかしさっぱりとした性格がそのようなことを微塵も感じさせない。  以前読んだ真田太平記と同じ文体で一定のリズムをもって読むことができた。ただ読んで勘兵衛がすごい人物設定であったのか疑問が残る。とてもそのように思えない。阿閉家を退転した後と増田家が没落後の浪人暮らしは槍一筋という人間設定とはかけ離れている。読んでいる自分が醒めているのか。そうではない。やはり出だしがすごすぎたのだ。理想としての信忠が全てなのだ。後が平凡すぎるのだ。特に藤堂家に二万石で召し抱えられることは無理がある。終局でのどんでん返しには驚いたがそれで二万石だったのかと納得した。

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2021/05/10

槍の勘兵衛一代記。主君を次々に変え、一徹に思い通りに生きた幸せな生涯。それも実力が備わってるからこそ。愚直なところが憎めない可愛らしさもあり。全編清々しい風が吹いてるが如くである。2021.5.10

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2016/05/31

戦国の激動期を織田から徳川に至る世界を、槍一本で豪快に生きた男の物語。使える主人の我儘や戦闘能力のなさに嫌気がさし出奔してしまう愚直な男の生き様を、見事に描く池波文学の読後の清涼感を感じる。

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2016/02/04

渡辺勘兵衛が主人公の小説。名前は聞いてたけどどんな活躍をしたのかはこれで知った。高遠城攻め、山中城攻め、大和郡山城の守備、大坂城攻めと度重なる出奔。 書かれた時代が時代だからしょうがないんだろうけど、他の武将の説明の仕方がまさにステレオタイプ的な感じでそこだけ残念な気がした。

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2009/10/04

 「槍の勘兵衛」の話。  信長の野望シリーズで、あまり使えない割りに列伝が色々とリンクする渡辺了である。  了を「おわる」と読むなんて、初めてしりましたよ。

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2009/10/04

激動戦乱の世を、槍一本で剛胆颯爽と生きた男の一代記。 渡辺勘兵衛の物語。息子の長兵衛がとても好きだ。

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2020/07/15

(ふうむ・・藤堂侯につかえるのなら、千石でも・・いや、五百石でもよいが・・) と、渡辺勘兵衛はおもい迷いはじめたが、ついに意を決し、 「一万石、いただきとうござる」 と、口に出しかけ、一万石の「いち・・」といいかけたその瞬間に、藤堂高虎が、すかさず声をかけてきたものだ。 「どうじ...

(ふうむ・・藤堂侯につかえるのなら、千石でも・・いや、五百石でもよいが・・) と、渡辺勘兵衛はおもい迷いはじめたが、ついに意を決し、 「一万石、いただきとうござる」 と、口に出しかけ、一万石の「いち・・」といいかけたその瞬間に、藤堂高虎が、すかさず声をかけてきたものだ。 「どうじゃ、勘兵衛。二万石とらせる。それでよいか」 「あ・・」 もう、いかぬ。 虚をつかれた勘兵衛、もはや、両手をついて平伏するより、仕方がないではないか。(p.515)

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