越後・会津殺人ルート 追いつめられた十津川警部 の商品レビュー

西村京太郎(著者)

2019/10/16

〇罠にかかる十津川、謎を追う亀井ほかのメンバー。徹底的で陰湿な犯人に立ち向かえるか！？
井の頭公園で見つかった女性の死体は、十津川の名刺と会津若松行きの切符を持っていたことから、十津川も捜査に加わることになった。
すると、特急「スペーシア」に乗ったのち、知らない女から電話がかかってきた。
どうやらその切符は、犯人により用意された切符の可能性もあると気づき、ひとまず東山温泉に泊まる。喜多方のラーメン屋で出会った女性も怪しく、岩室温泉まで一緒に行くことになったが、その女性は旅館で殺され・・・
時系列でいうとその直前に起こった東山温泉の殺人事件も発覚し、十津川に酷似した男性が犯人という証言もあり、十津川が捜査に参加できなくなってしまい・・・！？

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犯人の周到さ。
はじめは読み解くことができないが、読者も文章と同じタイミングで気づかされることになる。十津川はどのように捜査し立証していくのか？その「虚」をつかれたというか、うまく利用されてしまったのが今回の事件だ。

重要参考人であり逮捕一歩手前になった十津川。彼を失い不安そうにする十津川班のメンバーたち。
しかしそんなピンチも、少しずつの地どり捜査というか、証拠の積み上げで十津川警部を取り戻すところまで行く。さぁ、そこからどのように十津川は挽回したのか。
そして、いったい真犯人は誰だったのか？

短い冊子（２８２ページ）であるがゆえに、ページをめくる手が止まらなく、もっと楽しみたかったというのも正直なところでもある！

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もちろん、越後・会津殺人ルートのタイトルの通り、喜多方ラーメンに東山温泉・岩室温泉など、各所の名所が素敵な描写とともに、少しだけだが現れる。
思わず行ってみたくなる場所ばかりだ。

2009/10/04

1994.10.15　1刷　514
井の頭公園に若い女性の刺殺体。彼女の所持品に十津川警部の名刺と特急の切符があったため、十津川は単身浅草発の東武特急に乗りこむ。すると女性の声で「会津若松から喜多方を経て新潟へまわれ」との電話が。その指示こそ十津川を途方もない罠に落す第一歩だった。旅情豊かな舞台で起る白熱のサスペンス。