シュガー の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
女史唯一の短編集だそう。 ここのところ続けてフランスものを読んでいたので、第一作「ラシーヌとテーブルクロス」で、いきなり寄宿女学校ときたのに異次元ワープでした。 面白かったのは、作家女史が預かった少年が自作の主人公にそっくり、っていう「取替え子」。 自分がこしらえた世界から出てきたものが現実に目の前で 動き回る、その足場の揺らぐ異様さがぐっと書き込まれていて、ゾワッ。 一転、「面目丸つぶれ」は、他民族の個体認識っておつむの良し悪しで解決できるものもでもなくて、ひょっとすると「文明の衝突」どころの話じゃないんじゃない、はあ~っ、と身につまされた。
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「『抱擁』、早く読まにゃなぁ」と思いながらこの短編集を何度も読み返しています。小道具の使い方が抜群にうまいと思うのです。赤い靴とか、コーヒーとか、そういう物に込められた様々なディテールを折り重ねて、言葉に託すと白々しくなる感情やなんやかんやを描き出すのです。語りえないものを語るテ...
「『抱擁』、早く読まにゃなぁ」と思いながらこの短編集を何度も読み返しています。小道具の使い方が抜群にうまいと思うのです。赤い靴とか、コーヒーとか、そういう物に込められた様々なディテールを折り重ねて、言葉に託すと白々しくなる感情やなんやかんやを描き出すのです。語りえないものを語るテクニックって、やっぱりあるんですね。でもそれは天才にしかできないんですね。
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