僕の殺人 の商品レビュー
殺人シリーズの第一弾…
殺人シリーズの第一弾で著者のデビュー作。私は事件の被害者であり、探偵でありというような手垢の付いたようなトリックに挑んでいる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「僕」は,この事件の最大の犠牲者であり,加害者であり,探偵であり,証人であり,またトリックでもあった…という作品。「僕」は,この事件の記述者でもある。 真相は以下のとおり ○ 犠牲者 僕は,祖父の遺言のために,美術品を相続するためだけに生み出された存在であり,この事件の最大の犠牲者である。 ○ 加害者 僕は,この事件の動機そのものである。僕が生まれたせいで母は死に,雄一郎,そして叔父までも死んだ。この事件の加害者であるといえる。 ○ 証人 僕は記憶を失っているものの,事件の全てを目撃した目撃者である。 ○ 探偵 僕は,記憶を取り戻すために事件を捜査し,掘り起こし,再編成した探偵でもある。 ○ トリック 雄一郎は,自分の子が祥子と慎二郎の子であることを知り,自分の子を殺害し,誘拐してきた子供を自分の子どもとすり替えた。それが「僕」であり,僕はこの事件のトリックそのものであった。 大田忠司は,多作家であり,どの作品もそつがないデキで仕上げるタイプのアベレージタイプだと思っているが,処女作である「僕の殺人」は,大田忠司らしくないややとがった作品。処女作なので,小説のうまさはそれほど感じられない。フリーライターの小林伸吾の存在は,あまりリアリティが感じられないし,登場人物の追い詰められたときの行動もいまいち。個々の人物は書き分けられているとはいえないし,深見という警察と小林の関係も,あまりに出来過ぎた偶然だが,必然性があまりない。 物語としての作り方はイマイチなのだが,話全体に迫力は存在する。泉という少女も,中学生らしさというか,人間らしさがあまり感じられない。 雄一郎を本当に殺害した真の実行犯が泉というオチも必然性はない。慎二郎と「僕」の対決となる病室のシーンも,それほどドキドキできなかった。プロットはなかなかよく,小説技術がある段階で,このプロットの作品が書ければ「傑作になっていたと思うが,そううまくいかないもの。しかし,その未完成さ,粗削りさが魅力といえなくもない。総合的にみて,★3ですかな。
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青春本格ミステリとあるのですが、青春モノとも本格とも言い難い感じでした。なんとなく主人公が好きになれなかったので入り込めず。ラストは結構好みでした。
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太田 忠司の長編デビュー作。とは知らずに読んだ。 デビュー作として見れば結構凄い出来なのだが、後の作品を読んでいると色々物足りない。
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僕が5歳の時、信州の別荘で起こった惨劇―それは僕自身の記憶と両親を奪い去った。あれから10年、事件の真相に迫ろうとする男が現れ、殺された。あの事件には、なにか封印された秘密がある。僕は犠牲者ではなく、加害者だったのかも…。意想外のトリックとみずみずしい感性で描く青春本格ミステリー...
僕が5歳の時、信州の別荘で起こった惨劇―それは僕自身の記憶と両親を奪い去った。あれから10年、事件の真相に迫ろうとする男が現れ、殺された。あの事件には、なにか封印された秘密がある。僕は犠牲者ではなく、加害者だったのかも…。意想外のトリックとみずみずしい感性で描く青春本格ミステリー。
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一人6役のトリック。名古屋出身の太田忠司氏デビュー作。静かな推理小説。アイデンティティという言葉をこの本で知った。
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