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カルパチアの城 の商品レビュー

3.8

11件のお客様レビュー

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映画化された作品です…

映画化された作品ですね。ヴェルヌの伝奇ロマン小説です。無人のはずの古城から立ち昇る一筋の煙や相次ぐ奇怪な事件。<ロマン的謎>を科学的に解決するのが、ヴェルヌらしいところです。

文庫OFF

無人のはずの古城から…

無人のはずの古城から立ち昇る一筋の煙、相次ぐ奇怪な事件。謎の解明にのりだし、城に赴いたテレク伯爵の前に、5年前に死んだはずの歌姫の姿が…。伝奇ロマンです。

文庫OFF

2023/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オチに関しては深く考えないこと。 一瞬で現実に引き戻されてしまいますからね。 無人の城で起きる奇怪な現象。 それはやがてヴェルスト村にも悪影響を もたらすことになります。 2回目の突入はこの城主と因縁のある男です。 そしてあるとんでもない実情を 知ってしまうのです。 なんだろうな、切なくはあるわ。

Posted byブクログ

2023/01/11

昔、ジュブナイル版で読みました。死んだはずのラ・スティラの正体が、幽霊ではなく技術的に作られた、というのに驚いていた当時、映画はフィルムでしたね。

Posted byブクログ

2021/12/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ジュール・ヴェルヌといえば、『十五少年漂流記』や『地底旅行』『月世界旅行』『海底二万里』『八十日間世界一周』『神秘の島』など著作多数の作家。 舞台はトランシルヴァニアの古城。 ドラキュラの城ではない。ヴェルヌがこの作品を描いたのは、ドラキュラの城が見つかる80年も昔なのである。 トランシルヴァニア(ルーマニアの中部地方)の村人のひとりである羊飼いが行商人から遠めがねを買った。 その遠めがねでゴルツ男爵家を君主とする城のあたりを覗いたら、羊飼いは一条の煙を見たのだった。 そんなはずはない。カルパチアの城はもう隨分前から誰も棲んでおらず、城主であるゴルツ男爵の行方もしれないのである。 男爵の出奔後廃墟と化した名門の古城は村人にも気味悪がられてもいたが、その煙の正体を確かめるためにふたりの村人が朽ちゆく城を訪ねることになった。 ひとりは、可愛いミリオネッタとの結婚式を控えている若い林務官ニック。もうひとりは中年太りの医者のパタク。 医者の方は引きずられて行ってるのはありありだが、若いニックの方は、勇気があり、意志が強く、精悍なハンサムな青年ニックにはヒロイックなファクター数多で、おどろおどろしい城に立向かう勇敢さに心が踊ってくる。 しかし、このニック、あっさりと転落してしまい、気を失って村に搬送されて帰る。 怖がりの役立たずの医者の方が意識ははっきりしていて我が足で帰路につき、ことのあらましを震えながら皆に伝えた。 鐘が揺れ始め、怖ろしいうめき声があたりに満ちる。強い光が城塔から高原を照らした。 医者は濠で足が何者かにとらえられたように動かなくなり、若いニックは跳開橋の鎖をよじのぼっていたが、見えない手にはたかれたように彼の手は鎖から離れ墜落して気を失ってしまったというのだ。 ニックに代わる新しいヒーローになるらしき人物をヴェルヌはすぐに登場させる。 偶然、村の旅籠に泊っていたテレク伯爵と従卒のロッコが、この話を聞きつけ、その城に自分たちが行ってみようと言い出したのだ。 テレク伯爵とゴルツ男爵は曰くつきの仲。 イタリアの歌姫ラ・スティラをめぐる恋仇きで、テレクと結婚することに決めたスティラの最後の舞台で彼女は急死してしまう。 その後、ゴルツ男爵の行方はしれず、深い傷を負ったテレクもようやく立ち直り旅に出かけた時に聞いたゴルツという名前に、テレクが反応せずにいられようか。 この急展開のヴェルヌの仕掛けに読者は大いに満足し、再び先を急ぐことになる。 カルパチアの城で因縁の男たちは再会し、そしてスティラが・・・・・ 冒険小説の大家。SFの開祖ともいわれるヴェルヌの息をもつかせない筆致には脱帽。 そして、本書の訳者である安東次男さんの名訳も光る。 安東さんは、芭蕉関係の著作のたくさんある方で、私も安東さんがお書きになった連句の本は読んだことがある。 ヴェルヌは52歳のとき、可愛がっていた甥にピストルで撃たれ、膝に生涯癒えない傷を負っている。本書はその不幸な出来事のあとの晩年の作品だが、怪奇小説ともいえるこの作品にもヴェルヌの凄さを垣間見る。 尚、本書は『カルパテ城の謎』という題名で映画化されている。

Posted byブクログ

2021/03/10

 今から読まれる方には、詳しい訳注と解説が付いている新訳版をお勧めします。  しかし、安東次男版も独特のリズム感が心地よくて読みやすく、捨てがたい。  1968年の訳とはいえ、決して古びてはいなくて読みやすいのです。 アマゾンカスタマーレビューでは 「ユーモア混じりの文章といい、...

 今から読まれる方には、詳しい訳注と解説が付いている新訳版をお勧めします。  しかし、安東次男版も独特のリズム感が心地よくて読みやすく、捨てがたい。  1968年の訳とはいえ、決して古びてはいなくて読みやすいのです。 アマゾンカスタマーレビューでは 「ユーモア混じりの文章といい、なんだか講談師が昔話を声を張り上げながら口演しているような感じだなと思ってしまいました」 と書かれている方がいらっしゃいます。  安東次男さんは俳人や詩人としても活躍されていたようです。  読みやすいリズムある文体はその辺の背景から来ているのでしょうね。  訳者あとがきで安東さんは 「この種の文学作品によって、もっと自分の想像力をひろげる訓練をしてよいようにおもう。」 ……と記しています。詩人らしくロマンチックな指摘ですね。   https://sfklubo.net/carpathes/   https://sfkid.seesaa.net/article/480393864.html

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2018/10/25

無人のはずの廃城から黒煙が立ち上るのを羊飼いフリックが目撃した。麓のヴェルストの村人たちが唯一の宿〈マティアス王〉に集まって相談していると、「城に行くな!」と不気味な声が。しかし勇敢な若者ニック・デックは知識人を気取るパタク医師を連れてカルパチアの城へと旅立つ。2人は城の前までへ...

無人のはずの廃城から黒煙が立ち上るのを羊飼いフリックが目撃した。麓のヴェルストの村人たちが唯一の宿〈マティアス王〉に集まって相談していると、「城に行くな!」と不気味な声が。しかし勇敢な若者ニック・デックは知識人を気取るパタク医師を連れてカルパチアの城へと旅立つ。2人は城の前までへたどり着いたものの、城からは鐘の音とともに巨大生物の影と激しい閃光に脅かされ、ニック・デックは目に見えない攻撃によって城壁から落とされてしまう。 なんとか逃げ帰った2人の話に怯え、村人たちは皆家に引きこもり、打ち捨てられようとしていた。そこへたまたま観光旅行の通り道で立ち寄ったフランツ・ド・テレク。城の持ち主がかつての恋敵であるゴルツ男爵だと知り、城を見に行くことに。そこで彼は死んだ婚約者にして、ゴルツが崇拝していた歌手ラ・スティラの姿と歌声に遭遇する。スティラは本当は死んでおらず、ゴルツに監禁されていたのか? フランツは彼女を救い出すために単身城へと乗り込む。 説明文に伝奇ロマンとあるので怪奇小説だと思っていたら、むしろSFでした。

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2013/07/12

おどろおどろしく始まるが、そこはヴェルヌ、ホラーにならない絶妙なバランスで話は進んでいく。あの時代に、この発想力・・・。流石です。

Posted byブクログ

2012/05/30

どう考えても順序が間違ってるんだけど、 映画『カルパテ城の謎』にハマり→ ジョン・ポリドリ「吸血鬼」目当てで『ドラキュラドラキュラ』を買ったら、 「カルパチアの城」抜粋版(第9章のみ)が掲載されていたので読み→ やっぱりちゃんとフルで読もうと思って、この本に辿り着いた。 吸血鬼小...

どう考えても順序が間違ってるんだけど、 映画『カルパテ城の謎』にハマり→ ジョン・ポリドリ「吸血鬼」目当てで『ドラキュラドラキュラ』を買ったら、 「カルパチアの城」抜粋版(第9章のみ)が掲載されていたので読み→ やっぱりちゃんとフルで読もうと思って、この本に辿り着いた。 吸血鬼小説アンソロジーに採録される作品ではあるが、 いわゆる吸血鬼が登場するわけではなく、 悪役に相当するゴルツ男爵が吸血鬼的人物と見なされるに過ぎない。 が、トランシルヴァニアの突兀峨々たるカルパチア山中、 そこに聳える怪しげな城……という舞台設定だけで ワクワクもぞもぞしてしまう(笑) 物語は、村人たちが 無人になったはずの城から黒煙が上り、人の気配がすると、不審に思って、 代表者が調査に乗り出し、あっさり挫折して帰ってきたところへ、 真の主人公フランツが到着して、亡くなったはずの眷恋の歌姫の姿を認め、 乗り込んでいくという流れ。 先によく纏められた映画版を観てしまっていると、冗漫な印象は否めないが、 この、遠回りさせられ、焦らされる感覚もまた、妙味ではないかと。 菊地秀行氏が巻末の解説で 「恐怖を現出させ、ラストの仕掛けひとつで、いとも合理的科学的な解決を示す」 と述べているが、なるほどと膝を叩いてしまった。 そう考えると、これもまた推理・探偵小説のヴァリエーションと 捉えることができるのではないだろうか。

Posted byブクログ

2010/11/05

カルパチア地方のゴルツ男爵の城。男爵は行方不明になり無人のはずの城から立ち上る煙。対応を協議する酒場に響く謎の警告の声。調査の為に城に旅立つニック・デックとパタク医師。2人の体験した恐怖。突如落下したニック・デック。救出された2人。村に立ち寄ったフランツ・ド・テレク伯爵。歌姫ラ・...

カルパチア地方のゴルツ男爵の城。男爵は行方不明になり無人のはずの城から立ち上る煙。対応を協議する酒場に響く謎の警告の声。調査の為に城に旅立つニック・デックとパタク医師。2人の体験した恐怖。突如落下したニック・デック。救出された2人。村に立ち寄ったフランツ・ド・テレク伯爵。歌姫ラ・スティラをめぐってゴルツ男爵と因縁のあるフランツ。古城で目撃した死んだはずのラ・スティラ。誘うように下ろされた掛橋を渡ったフランツ。 船橋図書館  2010年11月5日読了

Posted byブクログ