多摩川殺人事件 の商品レビュー

梓林太郎【著】

2010/01/02

女好き？
女難の相あり？

それとも人柄なのか。

女性との関わりがあまりにも多い茶屋さんです。

………

　昨夜、サヨコとハルマキの帰った後、彼は多摩川についての概要をまとめた。
いつものことだが、自分の書いた概要にしたがって川を探訪することにしていた。
ところが、これが全面的に役立ったことが一度もない。
上流から下ったり、河口から遡行する途中で、思いがけない出来事
――それは出来事などと呼べるものではない。事件である。
しかも殺人事件で、かなり凄腕の刑事でも解明不可能な、謎に富んだ事件に巻き込まれ、
茶屋が捜査陣の向こうを張って、事件の源流を探る羽目になってしまったからだ。
　そんな事件がたびたびあってはたまったものではない。あるはずがない。
だからもともと律儀な性格の茶屋は、探訪する名川の概要を書いた。

………