血も心も の商品レビュー
ユニークな話から、恐…
ユニークな話から、恐い話まで、たくさんの吸血鬼の話が載っています。「死者にまぎれて」がおすすめ。
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吸血鬼に関するホラー…
吸血鬼に関するホラーを集めたアンソロジー。海外作家らしく、同じテーマでもバラエティーに富んだ短編が集まっている。
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吸血鬼がテーマというより、吸血鬼の行う行為(人間の生命力や意志を奪う)がテーマのアンソロジー。なので、血を吸う吸血鬼だけでなく他人のエネルギーや生命力を奪うタイプもいて、オーソドックスな吸血鬼を期待すると肩透かしを食う。中には、これは吸血鬼なのか...?と首を捻りたくなるものも。...
吸血鬼がテーマというより、吸血鬼の行う行為(人間の生命力や意志を奪う)がテーマのアンソロジー。なので、血を吸う吸血鬼だけでなく他人のエネルギーや生命力を奪うタイプもいて、オーソドックスな吸血鬼を期待すると肩透かしを食う。中には、これは吸血鬼なのか...?と首を捻りたくなるものも。 これを読んで、私はオーソドックスな吸血鬼が好きだなぁと思った。 不思議の国のアリスの詩を題材にした「海はどこまでもぬれにぬれ」ゴシックな正統派「銀の首輪」が特に気に入った。 キリストが蘇らせた男を主軸に添えた「ラザロ」吸血鬼がユダヤ人強制収容所の収容者として出てくる「死者にまぎれて」も面白かった。
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何故今頃この古本を買ったのか思い出せない……が、 ともかくも、20年ちょっと前に出た 「広義の」ヴァンピリスムを扱った作品を集めました、 というアンソロジー。 文字通り吸血行為が描写される話もあれば、 他者の精神的なエネルギーを盗み取る、 あるいは空費させるといったパターンもある...
何故今頃この古本を買ったのか思い出せない……が、 ともかくも、20年ちょっと前に出た 「広義の」ヴァンピリスムを扱った作品を集めました、 というアンソロジー。 文字通り吸血行為が描写される話もあれば、 他者の精神的なエネルギーを盗み取る、 あるいは空費させるといったパターンもある、全17編。 後者はいわゆるモダンホラーの括りに入ると思われるが、 自分の好みはゴシック系なのだと再認。 文体も端正な方がよい。 ということで、個人的ベストは…… 1)キルワース「銀の首輪」 吸血鬼に惚れた女性が 身を守るため、細工師に銀の首輪を注文するが……。 2)ホールドマン「ホログラム」 ヴァンピリスムをテーマにした詩。 娘を溺愛し、その成長を記録した父親の末路。 3)ドゾワ&ダン「死者にまぎれて」 ナチスによって強制労働に従事させられたユダヤ人の中に 吸血鬼が……。 次点は人の心を操る特殊能力者を描いた ダン・シモンズ「死は快楽」。 清々しいほどのスプラッタ加減に笑ってしまった。 過ぎたるは猶及ばざるが如し。 血飛沫は多けりゃいいってものじゃないです(笑)。
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※このレビューにはネタバレを含みます
既に絶版になっている新潮文庫刊のホラー・アンソロジー。 海外のホラー・アンソロジーについて言及される時、たいてい名前の挙がる1冊のようだ。 サブタイトルから「吸血鬼」もの、単純な「ヴァンパイア」テーマかと思われたが、編者の考える‟ヴァンパイアリズム”とは 『他人のエネルギーを吸い取ること、あるいは意思や生命力そのものを奪うこと』 であり、それは原題‟Blood is not enough(血だけじゃ足りない)”にも現れていて、それ故、収録作品に登場する異形の存在には、オーソドックスに首筋に噛み付いて血を啜る者もいれば、意思、感情、人生そのものの記憶すら欲する者までと、バラエティに富む。 同じヴァンパイアテーマのアンソロジーながら、オーソドックスな‟吸血鬼”作品が中心の「ヴァンパイア・コネクション」(角川文庫刊)と読み比べてみても面白い。
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