ダリの繭 の商品レビュー
アリス×火村シリーズ第2弾。サルバドール・ダリに心酔している宝石店オーナーが自宅で殺された。それも不思議なカプセルの中で。彼には母親の違う二人の弟がいたり、女性を巡って色恋沙汰のような側面も見られ、謎解きよりも心理サスペンスの様相が強い。
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2回目の読了。 かなり前に読んでたわけだが、ほぼほぼ覚えてないので再度読んでみた。 作風として時代が違うのはしょうがないとして、それでも少し作らせすぎてる感じがする。バブル時代を彷彿とさせるトレンディドラマっぽさは相当に好みが分かれそう。関西っぽさがないのは、そのあたりの世界観かも。 ただ、逆にそれをポジティブに見てみるといい感じの2時間ドラマっぽさがおもしろいようにも思う。ほどよい密室トリック。遠くの地に解決の糸口があって、そこへでかけていくというロケ感。ミッシング・リンクとは言わないまでも、小出しにされる複雑に絡まった関係性と惚れたはれたの愛憎模様。 最近の作品を読んでみたら、作風なのか時代背景としてのそれだったのか比べられておもろいかもしんない。 ------- 1回目の読了。 2015/11/16
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タイトルで面白そうとは思わなかったけど読んでみたら面白くてビックリ。 ただ実際に出来るのかちょっと疑問な所はあった。 そしてカナリアが心配になってしまう。 人が皆繭を持ってるなら、私にとっての繭は何だろうと考える。
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なんだかふしぎな話だった。 ミステリとしては、「えー」って思うようなところがそれなりの理由を持って説明されるので、わりとすっきりした感じで読めてよかったし、ダリと繭のイメージが印象的でそこがよかったな。 幻想とか妄想とか感覚とかの揺らぎとか現実との乖離とか、TRUMPシリーズの繭...
なんだかふしぎな話だった。 ミステリとしては、「えー」って思うようなところがそれなりの理由を持って説明されるので、わりとすっきりした感じで読めてよかったし、ダリと繭のイメージが印象的でそこがよかったな。 幻想とか妄想とか感覚とかの揺らぎとか現実との乖離とか、TRUMPシリーズの繭期のイメージもあってすごい不安定でもろい感じがしたんだよね。
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切ない話です。不可解なモチーフ続出の奇妙な事件の陰から、少しずつ悲しみが滲み出てくるような。第十章の、雨の滑走路の場面の美しさ! あと、鳥羽が出てきて、三重県人の私は、何だか嬉しい。江戸川乱歩繋がりですかね。
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前半はかなりのんびりした感じなので飽きずに中盤まで一気に読むのが良さそう。一度前半途中まで読んで飽きてたので... まだ2作しか読んでいないのですが、有栖川作品、最後が物悲しいというか切ない感じが多いのでしょうか。 最後の描写好きでした。
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作家アリスシリーズの初期長編。 繭を思わせるカプセルの中から見つかった死体をめぐるミステリー。 死体が見つかった現場の異常さや、なぜか切り取られていた死体のひげの謎を中心に物語は展開していきます。 事件の背後にある一人の女性をめぐっての人間模様は、どことなく往年のトレンディードラ...
作家アリスシリーズの初期長編。 繭を思わせるカプセルの中から見つかった死体をめぐるミステリー。 死体が見つかった現場の異常さや、なぜか切り取られていた死体のひげの謎を中心に物語は展開していきます。 事件の背後にある一人の女性をめぐっての人間模様は、どことなく往年のトレンディードラマ感があり、時代感が楽しい作品でもありました。 前半は証言や動機をめぐって地味目な展開が続きますが、後半から現場の不可思議さの原因が分かったり、凶器が見つかってからのめまぐるしく変わっていく展開が良かった。 次々と有力な容疑者が移り変わっていく様子は、安定感のある運転だとのんびり車に乗っていたら、急に突然ハンドリングが激しくなって、面食らってしまうような感覚。 一方でその転換が楽しく、後半は自分の読むペースも一気に早くなった気がします。 この作品だと繭のイメージも印象的。被害者や容疑者たち、そしてアリスや火村も含めて、みなそれぞれ抱えた心の闇や弱点。 それから身を守ろうとする心象をアリスが繭に例えて思い巡らすのが、しゃれていて、またアリスのナイーブな面がよく現れていて味がありました。 Kindleで読んでいると、他の人がハイライトをつけた文章が分かるのだけど、「アリスと火村の仲の良さがより伝わってくる」会話の場面にたくさんの人がハイライトをつけていたのが、ちょっと面白かった。みんな、好きやわねえ……
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何度読んでも悲しくなる。 その動機も、結末も、明かされる弟たちも恋人も、明かす火村もアリスも、何だか全てが悲しい。 ダリに魅せられ、でもダリにはなれなかった被害者。 繭のカプセルがどうしても怖い。 殺人が起きて、解決までの道のりに大小謎が多すぎるのも、色んな人が疑われて、関係ない秘密も暴露される。事件て色んな人を傷つける。解決して謎という面ではスッキリするのに、悲しさのせいでもやもやしたまま。 でも、きっとまた読むと思う。
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やっぱり短編より長編の方が読み応えがある! 手がかりが少しずつ発見される過程が丁寧に描かれているので引き込まれる。 幾つもの要因が絡まりあう謎にはそれぞれの理由があり、無理なく説明がされていて良い。 最後はしんみりしちゃったけれども、きれいな終わり方だったなぁと思う。 アリスたち...
やっぱり短編より長編の方が読み応えがある! 手がかりが少しずつ発見される過程が丁寧に描かれているので引き込まれる。 幾つもの要因が絡まりあう謎にはそれぞれの理由があり、無理なく説明がされていて良い。 最後はしんみりしちゃったけれども、きれいな終わり方だったなぁと思う。 アリスたちの掛け合いもコミカルで、ミステリも楽しかったので、本当に面白かった!
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相変わらず面白かった!やっぱり火村先生と有栖君の掛け合い可愛くて好き。新婚さんごっこは笑ったけど。笑 今作は隣人さんと有栖君の関係性も可愛くて悶えました。 図書館で借りたのですが、全体的に黄ばんでて古そうだなって発行年見たら平成5年だった。私が産まれる前。携帯とかまだそこまで主流ではない頃だったのか、あまり出てこなかったけど、不思議と違和感感じないって凄いなっと。 でも、読んでも読んでも犯人が全くわかりませんでした。トリックも分からない!難しかった。 表紙がずっと怖いなっと眺めてたけど、見ているうちに可愛く見えてきました。不思議。 最後のシーンは切なくて『落ちてこい、飛行機』の一文が印象に残っています。
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