家畜人ヤプー(下 ドリスとクララの巻) の商品レビュー
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非常に長い厠畜(セッチン)談義(首長家ヤプー・ミカド族の戦争犯罪の禊として始まる)と股間部顔面複合文化(クロッチ・フェイスコンプレックス・カルチュア)の説明、裁判制度、クララのお披露目パーティー、麟一郎がヤプーとしてクララに服従を誓うまで。 本来はその後のストーリーも予定されていたが、ここまで大幅に膨れたため、三十数時間の内容だけで終わってしまった。 『完結編』のあとがきでは、軍治派と文治派の確執、麟一郎が平民家庭に匿われ、Enoch George Odner(役の行者小角)に救われるまで元飼い犬のタロに雌犬代用として犯され続ける話、妹・百合枝との近親相姦、クララが南極飼育所、竜宮城の乙姫(プリンス・オットー)、邪蛮(ヤプーの国)を訪ねる話などが予定されていたという。 三巻本になる際、大幅に加筆、再構成されている。 人種差別、スカトロジー、人体改造、神話冒涜などあらゆるタブーを無視しているが、直接的な性交の場面がほぼないのは、もはや性交はタブーではないから(『完結編』あとがき)。
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沼正三の世界観は、現代の縮図を極端にこねくりまわしたモノと云える程、理論・哲学・歴史的側面から見て思わず唸ってしまう程、日本の特性を巧みに捉えていると感じる。 性差に於ける倒錯観念にも、惹き付けられるモノがあり、此の作品にはソレを「日常」としてふんだんに取り込まれている。 「家...
沼正三の世界観は、現代の縮図を極端にこねくりまわしたモノと云える程、理論・哲学・歴史的側面から見て思わず唸ってしまう程、日本の特性を巧みに捉えていると感じる。 性差に於ける倒錯観念にも、惹き付けられるモノがあり、此の作品にはソレを「日常」としてふんだんに取り込まれている。 「家畜人ヤプー」の世界は、官能としてでは無い官能美が多く孕まれ、読者の性的興奮を根底から引き摺り出す魅力がある。 発想は無尽蔵と云える程、人々を圧巻させるに十二分な世界を確りと、隙間無く築き上げているが、 其の創造性故に段々と惰性や厭きを覚えてしまう。 ラストの展開に期待していたが、結局「ヤプーの世界」は亀裂すら入らず…の終幕で、落胆せざるを得なかった。 上中下巻の三冊の間に流れた時間はほぼ一日で、其の時間の圧縮率にも正直の処、やり過ぎ感が拭えない。 ラストは決して納得のいかないものでは無く、歯切れの悪さを感じる訳でも無いが、 もう少し展開性があっても良かったのでは、と思う。
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天才の脳内妄想ってこんなんなんかな。どこまでも飛んでいく発想。漫画になったらしいのですが、この原作を読破できる人はあんまいないんじゃなかろうか。実は表紙がすごく良いのですが、画像がなくて残念。ドグラマグラに続いてレジにもっていきにくい表紙。
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(上、中から続き)・・・白人とか黒人に比べるとアジア人ってやっぱり『劣ってるよなあ・・・』と感じてしまう。ってゆーか、同じ人数でガチンコ勝負したら確実に負けるでしょうし、なんせ姿形が美しくない。それってやっぱり生物的に劣・・・(以下略)ってことでしょ。 だからこの作品に嫌悪感は感...
(上、中から続き)・・・白人とか黒人に比べるとアジア人ってやっぱり『劣ってるよなあ・・・』と感じてしまう。ってゆーか、同じ人数でガチンコ勝負したら確実に負けるでしょうし、なんせ姿形が美しくない。それってやっぱり生物的に劣・・・(以下略)ってことでしょ。 だからこの作品に嫌悪感は感じなかった。むしろアーメン。 あーでもSMとか女性マンセーとかのくだりは興味なし。
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