異人たちの館 の商品レビュー

折原一【著】

2024/05/27

なんとも不思議な読後感。モノローグ、作中作、年表、「小松原淳」をめぐる様々な登場人物…視点に振り回されつつ予想を立てながら読み進めたが、ラスト30pの矢継ぎ早の展開には「えぇぇ、そう来るんかい！」と困惑する気持ち。折原氏は初読なので、他の作品はどんな雰囲気なのか興味が出てきた。

図書館で借りたのは初版、1993年発行。作中作「Mの犯罪」は、昭和生まれには常識の「宮﨑勤」「今田勇子」などを思い出すとすんなり読めるが、平成生まれの人たちには厳しいかもしれない（改訂版ではこの辺りの扱いが変わっているのか？）

2021/01/14

ばちくそおもろかった。小説ならではの視点を錯覚させる描写でまんまと騙された…
尾行してくる『異人』、『中年女性』、合間合間に挿入される物語、名前も全てが意味があって理由が分かると興奮。

合間合間に入るモノローグも…お前だったんかい！とw

最後のエピローグまで話の出来は完璧。まぁ時代古いから若い人ワープロわからんよね…難点はそこ。

2018/08/19

叙述トリックと言えばこの人、とのことなので、評判のいいこの本を読んだ。
複数の新人賞を取りながら小説家として芽が出ないゴーストライター島崎の元に、失踪した息子の伝記を書いて欲しいと依頼が来る。

トリックがあると分かっているので様々な点を疑いながら読み進むと、たくさんの伏線が張り巡らされていて、予想通りのことろもあれば、そういうこことか、と思うところもあり、読みやすく面白かった。

この直前に読んだ本が「去年の夏、きみと別れ」だったので、最後のトリックが同じ本をたまたま2冊続けて読んだということが一番驚いた。

2018/05/25

じゅんという紛らわしい名前で少し混乱させられる{モノローグ}，古い洋館，地下室，異人さんとホラー要素満載で書かれた殺人と実際の殺人，怖がる要素たっぷりなのに過去の出来事の取材という形で進むので，案外スラーと読めた．「赤い靴，はいてた女の子」の歌は私も昔から何となく怖かったのを思い出した．

2017/12/31

一気読みにつき寝不足…。名作、叙述、どんでん返し、などの前情報から構えてしまい予想もついたが、とにかくこんがらがる。終盤、年表やページが書いてあり整理される。新潮社じゃない文庫版がおすすめらしく、違いが気になる。この作家の他の作品も読んでみたい。

2017/07/27

ミステリーはしばらく読んでいなかったので、入り込めるか不安だったのにあっという間にこの長編を最後まで一気に読めました。
私には難読かと一瞬思うも意外にすんなり次を読むのが楽しい本でした。

2014/07/05

イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387155471.html)
日本推理作家協会賞候補(47回／1994年)