群盗 の商品レビュー
ギリシャ神話を彷彿と…
ギリシャ神話を彷彿とさえる悲劇でした。カアルの翻弄される運命。盗賊団となり権力と戦うが最後に行き着く先は更に過酷な真実でした。
文庫OFF
さすがにフランツとカールの熱すぎる独白にはやられた。 カウンターカルチャーの古典に入れるべき名作。 ドストエフスキーが好きなやつ。
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カラマーゾフの兄弟を読んでいる間に、シラーの群盗を読みたくなった。そしたらふらっと覗いた古本屋で、3冊100円コーナーで見つけたので買ってみた。 シェイクスピアが大好きな青年の処女作と言われたら、たしかにそういう感じの戯曲だ。
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読む前から19の頃に書いた処女作だと知っていたのだが、知らなくとも若い人が書いたとわかったと思う。 ストーリー自体は面白そうになりそうな要素を沢山持ちながらもどの方向にも広がり切らない。作中で提示される哲学は幼いし、若さゆえの憧れや酔いしているような部分が少なくとも自分の気質には...
読む前から19の頃に書いた処女作だと知っていたのだが、知らなくとも若い人が書いたとわかったと思う。 ストーリー自体は面白そうになりそうな要素を沢山持ちながらもどの方向にも広がり切らない。作中で提示される哲学は幼いし、若さゆえの憧れや酔いしているような部分が少なくとも自分の気質には合わない。しかし、五幕でそういったものを詰め込んで怒涛の勢いを見せられ、十分には納得できないものの最終的に悪くない印象で終わる。 とにかく読みやすいし、文字だけでは伝わり切らないが娯楽としての盛り上がりを作れそうな部分は多々あるので、演出次第でそれなりに面白くなり得るものなのだとは思う。 長年評価されてきている作品なので、さらっと一度読んだだけでは自分には読み取れなかった何かがあるのではないかとも思うが、何の情報もなく本文だけを読んだとしたら、それなりに上手で面白いが特別惹かれるところはない本だとレビューすると思う。
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シラーの代表作である戯曲。おそらく、多くの人にとって、文学史の授業で丸暗記させられるが読んだことはない作品の代表格だろうと思う。登場人物たちは、大げさな身振りで長口上をとにかく語る。そのいちいちが格好よくていい。これは訳者の影響もあるかもだが、メインキャストたちがひたすら熱い。こ...
シラーの代表作である戯曲。おそらく、多くの人にとって、文学史の授業で丸暗記させられるが読んだことはない作品の代表格だろうと思う。登場人物たちは、大げさな身振りで長口上をとにかく語る。そのいちいちが格好よくていい。これは訳者の影響もあるかもだが、メインキャストたちがひたすら熱い。この国ではキリスト教嫌いが多いから、終盤の展開に不快感を覚える人も多いだろうが、個人的にはこれもアリだと思う。
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三年ぶりくらいに読みなおした。 ゲーテと並ぶ、ドイツ疾風怒濤期の文豪シラーの処女作にして最高傑作(だと思う)。聖人君子の主人公が弟の策略から暗黒面に堕ち、しかしそこから這い上がろうとするも、もがけばもがくほど大切なものを失っていくというストーリーだが、台詞回しや人物の思考はシ...
三年ぶりくらいに読みなおした。 ゲーテと並ぶ、ドイツ疾風怒濤期の文豪シラーの処女作にして最高傑作(だと思う)。聖人君子の主人公が弟の策略から暗黒面に堕ち、しかしそこから這い上がろうとするも、もがけばもがくほど大切なものを失っていくというストーリーだが、台詞回しや人物の思考はシェークスピアにかなり近い。もちろんシラー自身が意識してそうしているのだろう。 実は、シラーはカント哲学に対してとある批判(”道徳的に生きる”ことに対して彼なりのパラドクス)を加えたりしている。一読前にそこに目を通しておくと、彼の考える正義と悪の背反が見えて面白いと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ドストエフスキーが十歳の時に衝撃を受けたという文言を読み、ここに至った。なるほど、ここにドストエフスキーの内での『罪と罰』の原型となるものが注入されたのだろうか。
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ドイツの劇作家シラー(1759-1805)の処女戯曲、1781の作。 血のつながり、自然の摂理、道徳、神。これらにまとわる形而上的な価値の厳粛さを悉く呪い嘲るフランツに、ニヒリズムの影を、のちにドストエフスキーが抉り出すことになる人間の姿を、視た。「英雄」のカアルよりも寧ろ「...
ドイツの劇作家シラー(1759-1805)の処女戯曲、1781の作。 血のつながり、自然の摂理、道徳、神。これらにまとわる形而上的な価値の厳粛さを悉く呪い嘲るフランツに、ニヒリズムの影を、のちにドストエフスキーが抉り出すことになる人間の姿を、視た。「英雄」のカアルよりも寧ろ「悪」のフランツの方にこそ、人間の、「自由」ということの、在りようを垣間見た気がした。 「おれは、神にせまって、このおれを滅ぼさせてやるのだ、神の畜生を憤らせて、腹立ちまぎれにこのおれを滅ぼすように仕向けてやるのだ。」 ただ、最後には神を畏れお祈りしてしまうのだけれど。何処までも傲然としていてほしかった。
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群盗 荒削りながらも熱さと重厚さが堪らない。イリアスの翻案、黙示録とエジプト神話らしき描写、オセロー、ハムレットのような展開はいい。5幕の劇で4幕からは勢いが加速する。まさに疾風怒濤。ただラストはいただけなかった。熱さが足りないのだよ。勢いに任せて思い切り…
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