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猫と車イス の商品レビュー

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2012/08/29

仁木悦子さん、本名二日市三重子さんのご主人が奥様について書いた作品です。国立身体障害センターで知り合ったお二人。二人の間で交わされた会話や起こった出来事、ご本人の日記や書簡を元にして、ご主人の視点からの感想も交え、三重子さんを描いています。明るくてユーモアがあって、人が好きで、猫...

仁木悦子さん、本名二日市三重子さんのご主人が奥様について書いた作品です。国立身体障害センターで知り合ったお二人。二人の間で交わされた会話や起こった出来事、ご本人の日記や書簡を元にして、ご主人の視点からの感想も交え、三重子さんを描いています。明るくてユーモアがあって、人が好きで、猫が好きで、家族の死とも障害とも戦って…。そんなプラスのイメージしか持っていなかった仁木悦子さんでしたが、当然苦しみや葛藤がなかった訳じゃない。口にできない初恋もあり、自分が生きる理由が見つからない時期もあり、社会との戦いや夫婦間の問題、もちろん病気のことだってあった。衝撃的で、時にはいくらご主人でもそこまで暴露してしまっていいのかと思うような描写もありました。こんな普通の感覚の持ち主があんなに楽しくてワクワクする話を作り出せるのか、という驚きも。けど全編を通して見えてくるのは三重子さんの前向きさと、自分にも嘘をつかない真っ正直な姿勢。そして純粋ゆえの逞しさです。改めて、すごい人だったんだなと感動しました。

Posted byブクログ