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さらば星座(第5部 完結編 下) の商品レビュー

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2023/01/08

黒岩重吾の超大作。壮絶な人生を生き抜いた彼だからこそ書ける小説である。 人間が人間である誇りは、ロマンを渇望するところにある。自分の信念に従い、ロマンを求めて生きる。これは人間にとって最も大切なことである。主人公正明の魅力は、天涯孤独の身であったにも関わらず、屈辱を味わいながらも...

黒岩重吾の超大作。壮絶な人生を生き抜いた彼だからこそ書ける小説である。 人間が人間である誇りは、ロマンを渇望するところにある。自分の信念に従い、ロマンを求めて生きる。これは人間にとって最も大切なことである。主人公正明の魅力は、天涯孤独の身であったにも関わらず、屈辱を味わいながらも強く逞しくロマンを追求する点にある。その象徴が、恩師相川や恋人悦子であり、また、孤児院を作るという夢として描かれているのだろう。人間は皆不完全であるが、ロマンへの渇望を失ってはならない。作者黒岩は、自身の壮絶な人生経験から得た人間観からそれを描ききった。もしかすると、このような作品を世に残すという行為自体が、黒岩のロマンであったのかもしれない。

Posted byブクログ