細見綾子俳句鑑賞 の商品レビュー
天性の俳人である。天真爛漫かと思えば、摩訶不思議な句も詠む。その句は愛唱しやすく、忘れがたい。「チューリップ喜びだけを持つてゐる」「菜の花がしあわせさうに黄色して」「ふだん着でふだんの心桃の花」「つばめつばめ泥の好きなるつばめかな」「み仏に美しきかな冬の塵」「くれなゐの色を見てゐ...
天性の俳人である。天真爛漫かと思えば、摩訶不思議な句も詠む。その句は愛唱しやすく、忘れがたい。「チューリップ喜びだけを持つてゐる」「菜の花がしあわせさうに黄色して」「ふだん着でふだんの心桃の花」「つばめつばめ泥の好きなるつばめかな」「み仏に美しきかな冬の塵」「くれなゐの色を見てゐる寒さかな」「正月の月が明るい手まり唄」「能登麦秋女が運ぶ水美し」「枯野電車の終着駅より歩き出す」「仏見て失わぬ間に桃喰めり」「女身仏に春剥落のつづきをり」「杭打ちて秋雲ふやしゐたりけり」「蕗の薹見つけし今日はこれでよし」「年の瀬のうららかなれば何もせず」「野川あり春にならんとしてゐたり」「冬来れば大根を煮るたのしさあり」
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