二十億光年の孤独 の商品レビュー
谷川俊太郎デビュー詩集ということで 彼の原点を知りたくなり,手に取ってみた。 すると, 私の中で知っている 「谷川俊太郎さんの詩」よりも ずっとずっと 暗い空気が満ちていて おどろいた。 ――――― (P74)『二十億光年の孤独』 人類は小さな球の上で 眠り起きそして働き と...
谷川俊太郎デビュー詩集ということで 彼の原点を知りたくなり,手に取ってみた。 すると, 私の中で知っている 「谷川俊太郎さんの詩」よりも ずっとずっと 暗い空気が満ちていて おどろいた。 ――――― (P74)『二十億光年の孤独』 人類は小さな球の上で 眠り起きそして働き ときどき火星に仲間を欲しがったりする 火星人は小さな球の上で 何をしてるか 僕は知らない (或はネリリし キルルし ハララしているか) しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする それはまったくたしかなことだ 万有引力とは ひき合う孤独の力である 宇宙はひずんでいる それ故みんなはもとめ合う 宇宙はどんどん膨らんでゆく それ故みんなは不安である 二十億光年の孤独に 僕は思わずくしゃみをした (P76)『日日』 ある日僕は思った 僕に持ち上げられないものなんてあるだろうか 次の日僕は思った 僕に持ち上げられるものなんてあるだろうか 暮れやすい日日を僕は 傾斜して歩んでいる これらの親しい日日が つぎつぎ後へ駈け去るのを いぶかしいようなおそれの気持でみつめながら
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谷川俊太郎さんの処女詩集。 10代後半に作った詩が載っている。 やはりこの時代に若くして本が出版される人は親のパワーが強いという背景があるな。 後半に拾遺として漏れた詩を載せているけれど、やはり長々と具体的に書いたものは「詩」としては二流だと感じた。 中二病的な詩人が多いなか、...
谷川俊太郎さんの処女詩集。 10代後半に作った詩が載っている。 やはりこの時代に若くして本が出版される人は親のパワーが強いという背景があるな。 後半に拾遺として漏れた詩を載せているけれど、やはり長々と具体的に書いたものは「詩」としては二流だと感じた。 中二病的な詩人が多いなか、詩は基本的に中二病の産物ではありながら、未来への希望も感じられる清々しさが良かった。 しかし、これは戦後間もない頃の作品集。 詩は憂いがあってこそ響くところがある。 戦争が過去のものとなり、世紀末からも20年が過ぎた今、詩が昔ほど流行らないというのは仕方がないようにも感じました。
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「それ」を目にした瞬間に 電光のごとく体中を駆け(抜けて)行く思い。 穴だらけである言葉の網で、掬いとるのは至難のワザだが、 詩人の網はいつでも手入れを怠らずにいるのだろう。 いまだピチピチと言葉が生きている 谷川俊太郎先生初期の頃の詩集。
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小学生の時にもらった本だけど、大学生になって読み返すと全然違う。「祈り」や「電車での素朴な演説」「天使は」などは今ならよくわかる。「かなしみ」、「机上即興」、「秘密とレントゲン」「山荘だより」が好きだけど、全部の作品が好きでなかなか選びきれない。
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谷川の処女詩集。詩はやっぱりカッコイイ言葉を連ねて気取ってる感じがしてあんまり好きじゃなかったのだけど、「万有引力とは引き合う孤独の力である」などぐっさりくる言葉が随所にちりばめられている。美しい。 06/9/11
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火星からノート、こうもり傘まで壮大なスケールで展開されていく詩の数々。「地球があんまり荒れる日には」「ネロ」まるでオーケストラの演奏を聴いてるようです。読み応えありです。
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http://mit56.way-nifty.com/dawn/2005/05/post_91a2.html
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