悠久の銀河帝国 の商品レビュー

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2011/08/27

この本は、前半がアーサー・C・クラークの「銀河帝国の崩壊」(Against the Fall of Night)で、それを継ぐ形で続編を執筆したグレゴリイ・ベンフォードの後半が付いて、「悠久の銀河帝国」(Beyond the Fall of Night)という1冊の本になっていま...

この本は、前半がアーサー・C・クラークの「銀河帝国の崩壊」(Against the Fall of Night)で、それを継ぐ形で続編を執筆したグレゴリイ・ベンフォードの後半が付いて、「悠久の銀河帝国」(Beyond the Fall of Night)という1冊の本になっています。 前半。数億年後の未来、まるで現在の地球と連続しているとは思えない遠い未来の話しの本書は、様々なテクノロジーや人間の思想がある意味でどれも突飛です。故に、現実の我々の住む世界の延長として認識しがたく、それ故、どうにも世界観への移入が難しいです。小生の持論ですが、SFにも、なんらかの現実との連続性が必要なのかな、なんて思っているので、余りにオリジナリティに富んでしまうと、逆に面白みが減る危険性を秘めていると思います。とはいえ、本書の場合は、クラークらしい丁寧な描写がまるで現実味の無い世界をきちんと書き上げているので、移入できないなりに、読ませる作品です。これはもう、彼の筆力というより他ありません。 前半は、結果的には、そこそこ面白いSF小説として仕上がっていると思います。大袈裟な主義主張が入っているというより、エンタテインメント作品として仕上がっている感が、小生の場合は強かったです。 後半。前半から登場人物を踏襲した、さらに少し後の未来の話し。こちらは小生にはダメでした。途中まで読んだのですが、全然面白いと感じることなく、途中からはキーワードだけを追っての斜め読み。その理由の最たるは、クラークのパートと逆で、描写が複雑で世界観をイメージできなかったことです。斜め読みした限りでは、ストーリーのテーマとしては前半より面白い展開がされているように感じたのですが、いかんせん、読ませる文章になっていない。 しょせん訳書で読んでるわけですから、これが訳者の筆力が、各原作者の筆力かは分かりませんが(でも、前半部分は読めてるわけだから、やはり原作者か)、読了できてない自分が悪いと思いつつも、散漫な印象になってしまいました。 満足度は、前半が★3つ、後半が★2つ、一冊の本としては↓な評価です。 (2005年読了)

Posted byブクログ