黒の碑 の商品レビュー

ロバート・E.ハワード【著】,夏来健次【訳】

クトゥルー神話及びゴ…

[文庫ＯＦＦ]

クトゥルー神話及びゴシックホラーの短編集。３０歳で自殺したハワードもここまでラヴクラフトの影響を受けていたのか、と。文章は少々読みづらく、クトゥルーものとしての新鮮味には欠けるがこのテーマがお好きなら読む価値あり。

2023/09/27

アーノルド・シュワルツェネッガーをスターダムに押し上げた『コナン・ザ・グレート』の原作者によるクトゥルー神話もの短編集。全体に「剣と冒険、そして暴力」がフィールドの作者らしく、どの作品にも大体「身長190cm、髪は茶、筋肉モリモリマッチョマンの変態」みたいなのが出てきて腕力で解決してしまったりするあたり、クトゥルー系でもわりと恐怖感が少なく気楽に読める。コナンが出てくる作品もあるし。ただ、「鳩は地獄から来る」は見事な怪奇復讐劇になっていて、非常に優れた作品だと思う。なお、人種差別とか偏見はラヴクラフト御大同様、バリバリである。

2013/03/18

ヒロイックファンタジーの典型であり先駆けである英雄コナンシリーズ
を書いたハワードによるクトゥルフ神話譚。

ラブクラフトに指導を受け敬意を払ったと思わしき表題作から、力業で
妖しきモノを退治してしまう、まさにコナンを思わせる「妖蛆の谷」、
そしてスティーブン・キングによって「今世紀屈指の傑作恐怖小説」
と評される「鳩は地獄から来る」まで実に読み応え十分の短編集。

ラブクラフトの湿度も好きだが、ハワードの快活さも捨てがたい。
どちらのファンも一度は読んでおいた方がいい本と言えるかな。

2012/06/25

クトゥルーでもラヴクラフトとかダーレスじゃない人の本を読んでみたかったのです。クトゥルーの中ではきっとヒーロー色が強いというか結構絶対的な窮地にいながらも背を向けずに主人公たちが立ち向かってく話が多いのかな。でも毛色が違うけどこれはこれで面白いと思います。

2012/03/14

HPLの愛弟子、ハワードによるクトゥルー神話集。
表題作の名前だけは知っていたのだが、この作家については知らなかった。HPLと著者の関係や、両者の作品の比較については倉坂鬼一郎氏による巻末の解説に詳しい。

HPLとほぼ同じ時代（没年はハワードの方が数ヶ月早い）なので、作風、文体共に時代を感じる。また、この著者はクトゥルー神話を、冒険アクション仕立てにしているのが特徴だろうか。従ってホラー度は高いとは言えない。巻末の1篇「鳩は地獄からやってくる」は少々趣が異なるが……。

各作品とも、刃物でばっさり切り取ってしまったような、いささか尻切れトンボ気味のラストに違和感を感じた。何かこう、余韻が……なぁ。

2009/10/04

コナンのハワードによるクトゥルー神話譚。
もろもろの神話系作家と比べても傑出している。ハワードがクトゥルーを描くと、闇をさまようものや、ダゴンやショゴスをばっさっばっさと切り倒してしまうようなイメージを持ってしまうが(一部その通りなモノもある)、ちゃんと主人公は気が狂ったり、無残に死んでくれたりするんで、そこは一安心。