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散華(上) の商品レビュー

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2024/01/19

「散華(上) 紫式部の生涯」杉本苑子著、中央公論社、1991.02.20 457p ¥1,650 C0093 (2024.01.10読了)(2024.01.05借入)(1991.04.30/6刷) 紫式部の物語というよりは、藤原一族の権力争いの物語ですね。女性や権力者の補佐役を...

「散華(上) 紫式部の生涯」杉本苑子著、中央公論社、1991.02.20 457p ¥1,650 C0093 (2024.01.10読了)(2024.01.05借入)(1991.04.30/6刷) 紫式部の物語というよりは、藤原一族の権力争いの物語ですね。女性や権力者の補佐役を主人公にするとどうしても時代を動かす権力者たちの動きの方を述べないことには物語がうまく進められないということなのでしょう。 紫式部(この物語では、「小市」)が七歳の時から筆が起こされています。兄弟は姉の『大市』と弟の「薬師麿」の3人です。「光る君へ」では、姉と弟の二人ですね。 母親は、播磨にいたときに、三人目を生んだ後、産後の肥立ちが悪く、亡くなっています。「光る期目へ」では、京に戻った後、道兼に殺されています。「光る君へ」は、史実からは自由な、フィクションとしてみた方がよさそうです。 父親は、藤原為時です。学者肌の人のようです。やもめですが、京には、通う相手がいて、そちらにも何人か子供がいるようです。 「光る君へ」では、早々と藤原宣孝が登場していますが、後に紫式部の夫になる方です。 物語は、二十七才になった小市が、越前に赴任する父について旅立つところで終わっています。以下下男というところです。 少女の頃は、親戚を通じて手に入れた『蜻蛉日記』などを読んでいます。姉と競って『古今和歌集』を暗誦したりしています。のちの清少納言(清原元輔の娘)に試されたりしています。 他に、『竹取物語』『落窪物語』『伊勢物語』『住吉物語』なども読んでいます。(90頁) 和泉式部(大江雅致)は、御許丸という名前で出てきます。皆さん同時代を生きているんですね。 【目次】 峠路の賊 蜻蛉日記 魔火 麗ノ女御 蓮の葉の露 冬の季節 死神 夏ごろも ☆関連図書(既読) 「藤原道長」北山茂夫著、岩波新書、1970.09.21 「紫式部」山本藤枝著、火の鳥伝記文庫、1987.03.21 「小説紫式部 香子の恋」三枝和子著、福武文庫、1994.12.05 「紫式部日記」紫式部著・山本淳子訳、角川ソフィア文庫、2009.04.25 「紫式部の娘 賢子」田中阿里子著、徳間文庫、1992.05.15 「桃尻語訳 枕草子(上)」清少納言著・橋本治訳、河出書房新社、1987.08.31 「桃尻語訳 枕草子(中)」清少納言著・橋本治訳、河出書房新社、1988.12.20 「桃尻語訳 枕草子(下)」清少納言著・橋本治訳、河出書房新社、1995.06.30 「小説清少納言 諾子の恋」三枝和子著、福武文庫、1994.10.05 「むかし・あけぼの(上)」田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25 「むかし・あけぼの(下)」田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25 「和泉式部日記」和泉式部著・川瀬一馬訳、講談社文庫、1977.10.15 「蜻蛉日記・和泉式部日記」生方たつゑ訳、集英社文庫、1996.09.25 (アマゾンより) 藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市は、幼い頃から和歌や漢籍を学び並外れた才能を発揮した。 姉弟や伯母とともに暮らすなかで、疫病の流行や治安の悪化、勢力抗争に明け暮れる人々の浮き沈みを犀利なまなざしで見つめながら、自らの生きる道を模索していく。 永遠の名作を紡ぎ出した一人の女性の生の軌跡をたどる歴史大作。上巻では少女時代から20代までを描く。 (「BOOK」データベースより)amazon 娘たちを政治の道具に権勢をほしいままにする藤原氏、一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘に生まれ、世の不条理を懐疑しつつ、歌や物語の世界に真実の愛を求める式部の多感な青春を濃密に描く歴史大作。

Posted byブクログ