坂口安吾全集(11) の商品レビュー
著者の探偵小説作家と…
著者の探偵小説作家としての作品を収録している。巨勢博士がシリーズキャラクターとして活躍する現代ミステリを集めた。
文庫OFF
この巻は推理小説が収録されている。長篇の「不連続殺人事件」と「復員殺人事件」、その他に短編が9作品。不連続殺人事件は安吾が初めて書いた推理小説で、雑誌に犯人当ての懸賞付きで連載された。探偵作家クラブ賞を受賞した名作。復員殺人事件も同様の趣旨で連載が開始されたが、雑誌の休刊で休載の...
この巻は推理小説が収録されている。長篇の「不連続殺人事件」と「復員殺人事件」、その他に短編が9作品。不連続殺人事件は安吾が初めて書いた推理小説で、雑誌に犯人当ての懸賞付きで連載された。探偵作家クラブ賞を受賞した名作。復員殺人事件も同様の趣旨で連載が開始されたが、雑誌の休刊で休載のままに。安吾の死後、推理作家の高木彬光が後半を完成させて、やはり懸賞付きで発表された。その部分を含めて収録されている。 収録作品: 不連続殺人事件、復員殺人事件、投手殺人事件、屋根裏の犯人、南京虫殺人事件、選挙殺人事件、山の神殺人、正午の殺人、影のない犯人、心霊殺人事件、能面の秘密。 読者への挑戦があるのは、不連続殺人事件と投手殺人事件。復員殺人事件にも欲しかったところ。
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『不連続殺人事件』を読む目的で本作を読了。一読した感想としては、まず挑戦状形式に驚く。有名な小説だが、まさかこのような形式になっているとは思わなかったのだ。そして、私自身も一応犯人を当てるつもりで読んでいたのだが、結局最後までわからずじまいだった。――とはいうものの、これは何も私...
『不連続殺人事件』を読む目的で本作を読了。一読した感想としては、まず挑戦状形式に驚く。有名な小説だが、まさかこのような形式になっているとは思わなかったのだ。そして、私自身も一応犯人を当てるつもりで読んでいたのだが、結局最後までわからずじまいだった。――とはいうものの、これは何も私の能力の低さだけが問題であるとも思えない。登場人物が多すぎて、誰が誰だか把握せぬままにどんどん人が死んでいってしまうので、そもそも腰を据えて推理してみるという段階になかなか到れないのだ。舞台の見取図は一応掲載されているが、それでも何度見返したかわからない。こういう小説は、冒頭にちゃんと掲載してくれないと読みづらくて困る。ただ、仮に図が適切に掲載されていたとしても、容易に正解できたとは思われない。真相を聞いたところで、なおも釈然としない思いがあるからだ。一応筋は通っているが、どうにも腑に落ちないのである。ただ、『不連続』はまだ良いほうで、ほかの収録作はもっと酷い。無理矢理なメッセージの解釈など、アンフェアと感じる作品が多々あり、ミステリとしてさほど水準が高いとも思えない。『本陣殺人事件』を読んだときも同様の感想を抱いたのだが、やはりこの時代の探偵小説には限界があって、単純にクオリティでいえば、いわゆる「新本格」などのほうがよっぽど高いし面白いのではないか。本作は読む価値がないとも言わないが、わざわざこの時代に引っ張り出してくる必要もないな、と感じた。
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ものすごーくヘビーな本です。 多分こんな分厚い本を読んだのは 「カズムシティ」、「終わりのクロニクル」最終巻以来ですわ。 でもなんで厚いかは 2作品長編が入っていて それが半分以上のページ数を 占めているからなのです。 この二つはなかなかお勧めです。 前者は某作品に似ています...
ものすごーくヘビーな本です。 多分こんな分厚い本を読んだのは 「カズムシティ」、「終わりのクロニクル」最終巻以来ですわ。 でもなんで厚いかは 2作品長編が入っていて それが半分以上のページ数を 占めているからなのです。 この二つはなかなかお勧めです。 前者は某作品に似ていますが それでも次から次へと 殺戮が行われていくのが圧倒。 しかも著者の自腹つき挑戦つき。 これクリアした人がいるのが驚愕。 他の作品では うそーと思われる 手法も使われていて 面白かったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『不連続殺人事件』 詩人の家に招かれた客たち。それぞれに複雑に絡み合った人間関係。 連続する殺人事件。 『復員殺人事件』 坂口安吾の遺作を高木彬光が完成 巨勢博士の元への探偵依頼。戦争から復員した兄・安彦の正体をさぐること。顔と言葉、片腕を失った安彦。17年前の兄・公一の殺害事件の容疑者となっていたが戦争へ。 倉田家での殺人事件。殺害された安彦、滝沢起久子。薬を飲まされ意識を失った3人の人間。ヴァン・ダインの『甲虫殺人事件』にかくされた秘密。フグの毒で殺害された定夫。彼と不倫関係にあった女たちの秘密。 最後の殺人事件。毒殺された由之と美津子。 『投手殺人事件』 『屋根裏の犯人』 『南京虫殺人事件』 『選挙殺人事件』 『山の神殺人事件』 『正午の殺人』 『影のない犯人』 『心霊殺人事件』 『能面の秘密』
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