ヴァンパイヤー戦争(ウォーズ)(8) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
このシリーズ、毎回序章にサイドストーリー的小編を持ってくるのが通例なのだが、今回は特に印象深かった。名も明かされぬこの青年は一体誰なのだろうと気になりつつ、砂漠の灼熱地獄や極寒地獄に九鬼一行が苛まれるサバイバル小説の如き前半部や、万単位の兵が戦場にて刃を交える一大戦記の如き後半部にいつしか青年のことなど忘却の彼方。終盤になってさり気なくその伏線を回収していく手際は、ミステリ作家としての出自を鑑みれば余技のようなものだろうが、効果は覿面だ。そして見事復讐を成就させた、矢吹駆の分身たるムラキに細やかな祝杯を。
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