醒めた炎(1) の商品レビュー
【醒めた炎 木戸孝允 (一) 】 村松剛著、中央公論社、1990年 明治維新というのは、とても難しい。 1853年のペリー来航から尊皇攘夷が始まり、次第に公武合体が叫ばれ、そのうち倒幕運動に至り、1867年の五ヶ条の御誓文と王政復古により1868年に明治政府が誕生する。 こ...
【醒めた炎 木戸孝允 (一) 】 村松剛著、中央公論社、1990年 明治維新というのは、とても難しい。 1853年のペリー来航から尊皇攘夷が始まり、次第に公武合体が叫ばれ、そのうち倒幕運動に至り、1867年の五ヶ条の御誓文と王政復古により1868年に明治政府が誕生する。 この間、わずか15年。 その間、政策がいったりきたりし、プレーヤーも誕生したり、去っていったりと目まぐるしい。 しかし、一貫して真ん中に居続けたのが、維新の三傑の中でも木戸孝允(桂小五郎)だろう。 長州藩のエリートとして期待され、最後までやりきった。 本書の著者は仏文学者。 なぜこのバックグラウンドを持った人が木戸孝允を書こうとしているのか、まだ、一巻目では背景はわからないが、きっと最終巻のあとがきにあるにちがいなくそこまでの楽しみとしたい。 海外の文献にも丁寧にあたっているので、日本へ開国を迫る欧米列強の内部事情が詳しく調べられている。 ペリー以前の各国の交渉人は非常に丁寧に日本人と接したばかりに、徳川幕府はなめてかかり不成立。 その失敗を分析して挑んだペリーは、超強硬手段で相手のことなど構わず押し込んでみたら、日米修交通商条約に至る。 なんだか、ここのところの国際情勢などが彷彿とさせられる。 本書を読んで気がついたのは、「征夷大将軍」と「攘夷」は同じ「夷」の字があるということだ。 つまり、武士の棟梁とは「夷を征する」役職を朝廷から頂いているのに、欧米列強という「夷」を征さないなら徳川幕府は無用ではないか、という思いが孝明天皇や公家たちに、あったのであろう。 一方、幕府は隣国の清が1840年のアヘン戦争でイギリス、フランスに負けたことによりどんどん植民地化されていく様を知っていたので、国力がつくまでは戦ってはいけないことを知っていた。 結果的には、封建制度の幕藩体制から近代国家に代わり、日本はアジアで唯一の地位を占めることになる。 今年はその明治維新から150年。 また、トランスフォーメーションとしての維新が必要なのではないか、と教育の現場にいると強く思う。 明治維新、戦後と日本が大きく変わった時は何がどうあったのかをもう一度頭で整理しながら丁寧に学んでおきたい。 そうそう、松下村塾門下生は、自分のことを「僕」と呼んでいたそうだ。 僕も大学生くらいから、「僕」を使い始めたことを思い出した。 いまでも、僕は「僕」だ。 #優読書
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「明治三傑」の一人、木戸孝允(桂小五郎)の事が物凄くよくわかる伝記です。 「あとがき」にある、「~創作ではない以上、架空のことがらは書けない~」の通り、所謂、小説とは違います。 私自身、司馬遼太郎の小説を好んで読んでいたので、最初の方はなかなか読み進まなかったのですが、段々と木戸...
「明治三傑」の一人、木戸孝允(桂小五郎)の事が物凄くよくわかる伝記です。 「あとがき」にある、「~創作ではない以上、架空のことがらは書けない~」の通り、所謂、小説とは違います。 私自身、司馬遼太郎の小説を好んで読んでいたので、最初の方はなかなか読み進まなかったのですが、段々と木戸孝允の人物に魅せられながら面白く読むことが出来ました。 元々、西郷・大久保の本を読んでいたのもあり、長州系の人物を詳しく知らなかったので、吉田松陰、周布政之助、来原良蔵、高杉晋作、久坂玄瑞、などなど木戸孝允が時代背景を通じてどのように変わって行ったのかがよくわかりました。幕末に興味のある人は、読んでおいて損はないと思います! また、よくある言い伝えなども丁寧に考証してあったりするので、それも面白く感じました。(文庫版1~4を通じての感想)
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恐らく桂小五郎(木戸孝允)の最もくわしい伝記。 長州から幕府側の史料も使い、かなり濃密に書かれている。 桂小五郎ファンにとってのバイブルといえる。
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桂小五郎の最も詳しい伝記。クールに歴史を斬ってくのでエピソード好きより歴史好き向けです。 絶版で神保町で探しても見つからず、結局某密林で中古買いました…
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数少ない木戸孝允を扱った小説。小説というよりは伝記に近い気がします。 木戸孝允ファンですので、これはバイブルです。けれど、難しい。。。
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皆さんご存知、木戸ファンのバイブル。再販を強く希望します、もう図書館に何回借りに行ったかわからない_| ̄|○
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分厚い上下巻で読んだ当時は、歴史背景がさっぱりだったのでひたすら難しい本でした。それだけ綿密に桂さん〜木戸さんを追ってくれている本なのです。
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