無援の抒情 の商品レビュー
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今日生きねば明日生きられぬ闘いに生きた日々…・ 道浦は1947年、和歌山県生まれ。早稲田大学に入学した年に羽田闘争があり、70年安保、ベトナム戦争、沖縄返還問題と真剣に〈時代〉を考えれば考えるほど黙って見過ごすことができず、「今、何かせねば」と、他の学生たちと同じように、佐世保、王子、三里塚闘争に参加していった。 迫りくる楯怯えつつ怯えつ 確かめている私の実在゛ この時の思いを詠んだ短歌集「無援の抒情」で第25回現代歌人協会賞を受賞。 「迫りくる楯恬えつつ怯えつつ確かめている私の実在』 「「今日生きねば明日生きられぬ」という言葉想いて激しきジグザグにいる」 「無援の抒情」の題名は高橋和己の著作「孤立無援の思想」から。あの時代を思い出すと、展望のない明日でも、今日という日を精一杯生きないと、明日は来ないという感じで生きてきたと、彼女は自分史の中に書いている。孤立無援とは自分の「在り万を問う」問題提起だった。 「釈放されて帰りしわれの頬を打つ父よあなたこそ起たねばならぬ」 孤立無援という問題提起は親子関係を問うことでもあった。 「お前たちにわかるものかという時代父よ知りたきその青春を」
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