花衣ぬぐやまつわる… の商品レビュー
杉田久女以外の俳人に…
杉田久女以外の俳人について、よく知らなかったので勉強になりました。
文庫OFF
上巻から下巻にかけて出てくる久女が生み出した雑誌が、何とも心躍るものに思える。表紙の季節感あふれる絵に始まり、隅から隅まで美意識で整えられ、作者のわくわくした気持ちがそのまま読者に伝わるような本だったのだろう。 長女昌子さんとの関わり、敬愛の情はあっても、長い時間、近くにいると...
上巻から下巻にかけて出てくる久女が生み出した雑誌が、何とも心躍るものに思える。表紙の季節感あふれる絵に始まり、隅から隅まで美意識で整えられ、作者のわくわくした気持ちがそのまま読者に伝わるような本だったのだろう。 長女昌子さんとの関わり、敬愛の情はあっても、長い時間、近くにいるとしんどい・・・娘から見た母親はそういう所があり勝ちなだけに、結果的に顔を合わすのが最後になってしまった時の話が、印象に残った。 だけど、虚子のそういう所も興味深いという書かれ方になっているけど、彼のしたことについては正直な所、なんじゃらほいでした。スポーツの競技団体とか文化団体とかにはびこってそうな、長老扱いされてるパワハラおやじじゃないですか。しかも、相手は既に亡くなってるのに。全くみっともない。う~ん。旦那さん以上に、彼女の才能に嫉妬していたんですか? そんなくだらない人間関係のあれこれは時とともに消えて、美しい作品だけがこうして残りました・・・それはそれでよいのかな。だけど、その美しさが伝わるのに、田辺さんの作品の力が大きかったと思います。
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読み終えた直後は気持ちが重かったが、久女の現代に於ける評価を思い溜飲が下がった。一途に生きた俳人を愛さずにはいられない。
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上巻共々、読んだのは2回目。 俳句をやっている人間として、この本は、勉強になるとともに、一人の女性の人生を描いた評伝として読んでも、この久女の生き方は哀しくも、理解ができる。 こうして、田辺聖子さんが描かれたのは良かった。 久女の思いを神様が聞いてくれたのかもしれない。
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田辺聖子がここまで書ける人とは思わなかった。五年もかけたというだけあって一級品の評伝。 久女の狂気に対しては贔屓の引き倒しになっている部分も多々あるが、五年をかけた評伝の中ではままあること。著者が『歪められた』と書けば書くほど、『困った人だったんだろうなぁ』という感が強くなる。
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