ヒロシマ私の恋人 の商品レビュー
脚本体ですが、詩のよ…
脚本体ですが、詩のような美しさと流れがあります。
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ヒロシマとフランス。 互いに戦争によって傷を負った二人が出逢い、逢瀬を重ねる。 トラウマについての本で言及されていたので読んでみた。
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恐怖を恐怖によって伝えるのではなく、ひとつの忘れがたい恋愛のなかに恐怖を刻み込むことによって、その恐怖を伝えるというこのテクストは、単なる反戦小説ではない。反戦思想では、「反戦」という道徳が絶対的な価値として君臨しており、あらゆるものはその秩序のうちに配置される。記憶することは善...
恐怖を恐怖によって伝えるのではなく、ひとつの忘れがたい恋愛のなかに恐怖を刻み込むことによって、その恐怖を伝えるというこのテクストは、単なる反戦小説ではない。反戦思想では、「反戦」という道徳が絶対的な価値として君臨しており、あらゆるものはその秩序のうちに配置される。記憶することは善であり、忘却することは悪である。こうした見方から離れることができないかぎり、このテクストを読むことはできないと思う。また、映画もいいけれど、終盤のまさに言葉でしか描くことができない、キャラクターの別人化・二重化はテクストが表現できることの可能性を突き詰めている。デュラスのなかでも特に好きな作品。
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